福島県内で頻発する宝石窃盗被害

 10月20日付の福島民報に次のような記事が掲載された。

 《白河署は19日午前2時50分ごろ、南会津署の応援を得て、窃盗の疑いで自称川崎市、自称水道工事業中井大智容疑者(21)と本籍奈良県、住所不定、無職堀川哲平容疑者(23)を逮捕した。

 白河署の調べでは、2人は15日午後3時10分ごろ、白河市小田川の70代男性方を訪ね、男性の妻に「宝石の空き箱を探している」などと語り、妻がその場を離れた際に指輪2点やペンダントなど4点(計20万3000円相当)を盗んだ疑い。(中略)中井容疑者は調べに対し「話したくない」と供述、堀川容疑者は「やっていない」などと容疑を否認しているという。動機や共犯者の有無などを調べている》

 宝石を持ってこさせて、「箱が欲しい」、「他のも見たい」などと要求し、その場を離れた隙に宝石を盗んで立ち去る。実はこの手口、古くから知られているもので、ドラマや漫画などでも紹介されている。本誌でも昨年11月号「犯罪集団に狙われる高齢者の財産」という記事の中で、全く同じ手口の犯罪の被害に遭った女性の事例を紹介した。

 《最近宝石を盗まれたという喜多方市の90代女性は手口を振り返る。

 「宝石を鑑定するのであったら見せてほしいとその人はうちに来ました。旅行先で買った真珠を見せました。するとその人は『真珠を入れていた箱を持ってきてほしい』と言いました。途中から怪しいと思いましたが、『見せろ見せろ』と執拗でした。空箱を取りに家の奥に戻った隙に訪問者の姿はなくなっていました。車のナンバーを控えていれば良かった。馬鹿なことをしてしまった」

 年の甲か失敗談として、淡々と語る女性だが、その様がいっそう痛々しい。被害申告がないのをいいことに、この詐欺師は同じ手口を県内外で繰り返すのだろう》

 喜多方市の女性から宝石を盗んだ窃盗犯と今回逮捕された容疑者が同一人物かどうかは分からないが、それだけ被害に遭った人が多いということだろう。高齢女性は特に注意する必要がある。

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