関係者が明かす【南相馬市立病院】の内情

関係者が明かす【南相馬市立病院】の内情

 南相馬市立総合病院で脳外科の手術を受けた後に死亡した森朝子さん(当時68)の遺族が「医療ミスだ」として、同病院側を訴えたことについて、本誌2025年2月号から3号連続でリポートした。

 昨年12月、女性の夫と子ども2人が、同病院院長の及川友好氏(当時)と病院開設者である南相馬市を相手取り、福島地裁に約1億1700万円の損害賠償請求訴訟を提起した。訴状では、カテーテル手術中に誤って中大脳動脈を穿孔(穴が空くこと)し、くも膜下出血を生じさせたがしばらく気づかなかったこと、麻酔医が待機しておらず開頭手術に切り替えるまで2時間近くかかったこと、そもそも森朝子さんの脳動脈瘤は手術のリスクが高く経過観察するのが一般的だったこと――などが指摘されている。

 本誌4月号の記事では、南相馬市議会3月定例会で同病院事務部長が「訴状は現時点で市にも病院にも送達されていない」、「審理が開始された場合はご遺族のご心情を拝察しつつも、必要な主張・立証を行ってご理解を得られるよう努めていく」と答弁していたことを報じたが、3月26日に開かれた議会全員協議会で、同病院から議員に、訴状が届いたことが知らされたという。

 亡くなった森朝子さんの夫、哲芳さんによると、第1回弁論期日は5月12日(月)に決定したそうだが、「弁護士からはオンラインでの審理になる見通しと聞いた」(哲芳さん)とのこと。実際にどういう形で審理されるのかは、現時点では分かっていない。

 記事掲載後、本誌編集部には同病院の内情について、さまざまな情報が寄せられている。本誌3月号では、6年前の時点で、同病院の医師や看護師から医療ミス発生の可能性が指摘されていたことや、過去に患者とのトラブルが発生していたことを指摘した。同病院の内情を知る関係者によると、職場環境の風通しが悪く、やめていく人が少なくないという。

 「職員間のパワハラ・いじめが横行しており、見切りをつけてやめていく人が多い。新卒で入った看護師で5年後に残っているのは3分の1程度。医療スタッフが同僚から容姿をからかわれたり、強い言葉を投げかけられ、休職に追い込まれたケースもあった。さらにはそうした実態を隠蔽しようとした動きも見られ、公益通報制度が機能しているのか疑わしい状態になっています」(同病院の内情を知る関係者)

 職場環境を改善しようとしていた若者があきらめて別の医療機関に去っていき、パワハラ気質が強く組織に従順な職員が残る、と。医師の定着率の悪さも以前から囁かれており、今回の裁判以降も退職する動きがみられる。

 「前院長・及川友好氏の〝イエスマン〟しか要職に就けず、自由に建設的な議論を交わしたいと思って意見を述べても、すべて流されてしまう。そのため、うんざりしてやめていく医師が多い」(ある医師)

 院内では、「裁判を機にこうした現状を変えなければならない。いっそのこと医療法人に事業譲渡し、医師・看護師・医療スタッフなど、丸ごと変えてしまうしかないのではないか」と話し合われているという。

 亡くなった朝子さんの夫・哲芳さんは第1回弁論期日を控え、このように話した。

 「なぜ妻は亡くならなければならなかったのか、病院側の対応に問題はなかったのか、裁判を通じて真相を知りたい。それに尽きます」

 市民だけでなく、医療業界関係者など全国的に注目される裁判となりそうだ。

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