【取材拒否を貫いた自民除名いわき市議】公選法違反の質問も受け付けず

福島民友5月10日付に次のような記事が載った。

《「故人を党員に登録 自民除名のいわき市議」 自民党いわき総支部は9日、昨年9月に除名処分としていたいわき市議の遠藤崇広市議(51)=2期=の処分理由が、故人を党員として登録するなどの虚偽申請だったと明らかにした。総支部はこれまで処分理由を示していなかったが、総支部青年局からの上申書などを踏まえ、同日の拡大役員会で公表した》

記事によると、遠藤氏が行っていた家族党員申請では、同じ住所に10人の同姓者がおり、調べたところ実際は3人しか選挙人名簿に登録されていなかった。5人は故人で、2人は別住所だったことが判明した。除名処分自体は理由を明かさず昨年9月に下されており、遠藤氏はその前の8月に離党届を出していた。

遠藤崇広市議
遠藤氏

遠藤氏に経緯を聞こうと議会を訪ねると取材を断られた。遠藤氏は自民系会派を抜け、1人会派「市民の会」を結成していたが、昨年11月、立憲民主や社民、無所属の市議が集まった「創世会」に移籍している。その日も会派室にいた。
 

――遠藤さんはいますか。
 

「話すことはないんで」
 

――まだ何も言っていないんですが。話を聞いていただけますか。
 

「……」
 

――新聞を読んできたんですが。
 

「別に何も話すことはないです。ここは関係者以外立ち入り禁止です。そういうルールです」
 

――どうして質問すら聞いてくれないんですか。
 

「ここは立ち入り禁止なんで。いろいろ情報が入ってくるんで、関係者以外立ち入り禁止です」
 

遠藤氏は他の議員に「私ちょっと出て行きます」と言ったので、外なら応じてもらえるかと思い筆者は一緒に出口に向かったが、出た途端に扉を閉められた。
 

ドア越しに「話すつもりはない」と聞こえた。
 

聞きたいことは自民党除名の件以外にもあった。2024年8月の市議選直前、ある50代男性市議が市内の新盆世帯を弔問する際に現金を包んだ「御仏前」を渡したことに、公職選挙法違反の疑惑が掛けられたのだ。福島民友が2025年3月18日に報じた。同紙の取材に50代男性市議は複数の新盆世帯を訪れていたと認め、「忙しさの中で親族かどうかの確認が行き届かずに紛れ込んでいた可能性がある」と釈明した。
 

公選法では、公職者が選挙区内の有権者に寄付するのは違法だが、例外として親族などが挙げられている。同記事によると、男性市議と新盆世帯は親族関係にはなかったという。葬儀で本人が香典を届けるのは親族以外でも違反にならないが、今回はそれには当てはまらない新盆への弔問だった。
 

同記事掲載の時点で50代の男性市議は6人おり、遠藤氏もその1人だった。残りの5人に親族ではない新盆世帯に現金を渡し、福島民友から取材を受けたかどうか確認した。
 

川崎憲正氏(自民系・政風会)「私ではない」
 
田頭弘毅氏(同)「花輪の問題はあったけどそれは違う」(注:過去に名前入りの花輪を葬儀に飾り公選法違反を報じられた)

山守章二氏(同)「私ではない」

大友康夫氏(1人会派・誠心誠意の会)「私ではない」

塩沢昭広氏(公明党)「私ではない」

残るは遠藤氏だが、冒頭のようにあらゆる質問を拒否しているので分からないままだ。(小池航)

こいけ・わたる

1994(平成6)年生まれ。二本松市出身。
長野県の信濃毎日新聞で勤務後、東邦出版に入社。

【最近担当した主な記事】
福島県内4都市スナック調査(4回シリーズ)
地元紙がもてはやした双葉町移住劇作家の「裏の顔」(2023年2月号)

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