やんない・のりかつ 1954年8月生まれ。岩瀬農業高校卒。1973年に泉崎村役場入庁。産業経済課長、学校教育課長、参事兼総務課長などを歴任。副村長を経て2021年10月の村長選で初当選を果たした。昨年10月に再選。
――昨年行われた村長選挙において、無投票で再選されました。
「村民の皆様をはじめ各方面から強いご支援をいただき、無投票当選という結果になったことはとてもありがたく、嬉しく思っています。それと同時に、無投票であるということは、それだけ重い信任をいただいたということでもあります。その責任の重さを痛感しており、自分に課せられた職責を何としても果たしていかなければならないと、あらためて覚悟を固めた次第です」
――1期目を振り返っての感想はいかがでしょうか。
「1期目では主に6つの公約を掲げ、特にソフト面の充実に力を入れてきました。一つ目は『開かれた行政』の実現です。まず着手したのは、村長室をオープンにすることでした。村民の皆さんが役場に来た際にいつでも立ち寄って意見交換ができる環境を整えました。実際に多くの方が足を運んでくださり、そこから具体的な要望が多く寄せられました。例えば、ある歯科医の方からは『高齢の患者さんが通院する手段がない』という相談を受けました。そこで、村のバスを調整し、予約制の送迎システムを構築しました。また、『買い物にもっと柔軟に行きたい』という声に応え、近隣の矢吹町の商業施設への巡回バスを増便しました。
2つ目は『若者が村づくりに参加できる仕組みづくり』です。第6次総合振興計画の策定にあたっては、10年後の泉崎村を議論する『村づくり委員会』に若い世代を中心に参加していただきました。素案づくりだけではなく今後大きな課題が発生した際にも、この委員会の皆さんに検討していただく仕組みを継続させていきたいと思います。
3つ目は『かゆいところに手が届き、身近に感じられる行政運営』です。泉崎村は約6000人という人口規模ですが、これは一人ひとりに目が届く、非常に適切なサイズだと私は考えています。名前を聞けばどこの家か、どのような生活環境かがほぼ把握できる。この『顔が見える関係性』を生かし、農業委員や民生児童委員の皆さんと連携して、隅々まで支援が行き届く体制を整えてきました。
4つ目は『農業の担い手と共に課題を共有し、問題解決の取り組み』です。村の基幹産業でもある農業の担い手不足を解消するには、効率的に作業ができる圃場整備が不可欠です。原地区(110ヘクタール)と長峯地区(61ヘクタール)において、国や県の支援を受けながら大規模な整備計画を進めています。来年度の本格着工を目指しており、これにより農地を荒らさず、次世代へ引き継げる強い農業の基盤を作っていきます。
5つ目は『人口減少対策と併せ教育の充実と子育て環境の整備』です。教育環境の整備は最優先事項です。学校施設の老朽化への対応はもちろん、出産祝い金の増額も行いました。以前は3人目以降の出産から支給していましたが、現在は1人目に10万円、2人目には20万円と手厚くし、5人目まで段階的に増額する形に改めました。さらに、泉崎村独自の取り組みとして、幼稚園、小学校、中学校の入園・入学時にランドセルやカバン、ヘルメットを無償提供しています。これは村内に工場がある革製品メーカーに大変お世話になっています。幼稚園に通う保護者からも肩掛けカバンではではなく通園用のランドセルの希望が寄せられたので事業者に相談してオリジナルのリュックタイプの通園カバンを開発してもらいました。給食費の完全無償化も行っており、保護者の経済的負担を軽減し、村として子どもたちを育てる姿勢を明確にしています。
最後に6つ目は『医療福祉の充実』です。高齢者福祉、在宅介護を含む介護支援体制の更なる充実のため関係機関と連携して取り組んできました。こうした、住民の皆さんの困りごとに即座に反応し、行政を身近に感じていただくことができた4年間だったと感じています」
――2期目の重点事業について。
「1期目のソフト施策を継続しつつ、2期目はハード事業に注力します。まず泉崎駅周辺の再開発と複合施設整備です。駅の東西自由通路の整備や駅前広場、駐車場の拡充を行います。駅舎自体の改修やトイレの作り替えも含め、村の玄関口を一新します。さらに、東側には子どもたちが遊べる公園機能を備えた複合施設の建設も予定しています。
診療所の移転新築については長年の課題です。現在、自己資金として8億円の基金積み立てを目標としており、今年度末には4億円近くに達する見込みです。駅の東側開発と連動させる形で、最新の設備を備えた診療所を具体化させていきます。また高齢化社会を見据え、要望の強いリハビリテーションケアセンターの併設も検討していますが、これには国の助成制度がありません。国への要望活動も含め今後も検討していきたいと考えています。
給食センターの建て替えについては今年度中に敷地造成が完了し、来年度から建設が始まる予定となっており、2027年度には供用開始予定となっています。
泉崎駅前再開発に注力
そして道路網の整備も進めていきます。役場北側から中島村方面へ抜ける道路を整備し、渋滞緩和と利便性向上を図ります。これにより、近隣自治体からも泉崎駅を利用しやすくなります。また、長年中断していた県道白河石川線のバイパス工事についても、地主の方々の理解が得られたため、県に再開を強く働きかけています」
――国や県に対して訴えたいことはありますか。
「国に対しては、政策の継続性を強く求めたいです。担当大臣が変わるたびに事業の名称や方向性が変わってしまうと、現場の行政は住民への説明に苦慮します。長期的なスパンで揺るぎない方針を示していただきたいです。
一方で、県には非常に感謝しています。白河市にある県南地方振興局の担当者が毎月来村し、課題をスピーディーに吸い上げてくれています。かつては『村単独でやるしかない』と諦めていた事業も、県のアドバイスで国土交通省の交付金や内閣府の支援を受けられるようになるなど、非常に強力な後押しをいただいています」
――最後に、村民にメッセージをお願いします。
「私は1973(昭和48)年に役場に入庁して以来、半世紀以上にわたってこの泉崎村にお世話になってきました。これまでの長い年月でいただいたご恩に報いたいという強い気持ちが、私の原動力です。この2期目の4年間、全身全霊を捧げて村政に邁進してまいります。皆さんと約束した『他に誇れる村』を必ず実現させるため、共に歩んでいきましょう」

























