鏡石町民が気になるアノ話

鏡石町民が気になるアノ話

 本誌昨年10月号、11月号で、鏡石町議2人が町内の盆踊り大会に寄付をしていた問題を取り上げた。同町昨年12月議会ではそれに関連する一般質問があった。同議会ではこの問題のほかにも、気になる一般質問があったので、合わせてリポートする。

議員「寄付問題」の続報

 「寄付問題」が明らかになったきっかけは、ある町民から「昨年8月13、14日に町内で開催された盆踊り大会に、議員が寄付をしていた」との情報が寄せられたこと。本誌は「盆踊り実行委員会会長」と「鏡田盆踊り保存会会長」の名前で出された「令和6年 盆踊り開催についての御礼」という文書を入手した。盆踊り開催に協力してくれた団体や個人に礼を伝えるためのもので、そこには謝意のほか、寄付者の名前が記されていた。それを見ると、稲田和朝議員と畑幸一議員の名前があった。

畑議員(議会HPより)
畑議員(議会HPより)
稲田議員(議会HPより)
稲田議員(議会HPより)


 公職選挙法199条の2では「公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む)は、当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域)内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄付をしてはならない」と定めている。

 これに倣うと、議員が町内の盆踊り大会に寄付をすることは公選法違反に当たる可能性がある。この点については本誌10月号で詳報した。

 その後、この件で告発状を提出した人がいるとの情報が寄せられた。告発状を提出したのは、地域政党「町政刷新かがみいし」で、同団体の代表者は同町議を務める吉田孝司氏。吉田氏は本誌取材に、地域政党「町政刷新かがみいし」として告発状を提出したことを認めた。それを伝えたのが11月号記事である。

吉田議員(議会HPより)
吉田議員(議会HPより)

 同町昨年12月議会ではこの問題に関連する一般質問があった。質問を行ったのは、前出・吉田議員で、内容は「令和6年鏡田盆踊りの開催にあたり、町議会議員2名が『花代』として実名で寄付を行ったことを、町選挙管理委員会は如何に認識しているか」というもの。

 これに対する町選管委の答弁は以下のとおり。

 「町内で盆踊り大会において、町議会議員2名が『花代』として現金を納めたことについては新聞報道等で認識しています。町選管としては公職選挙法第199条の2で『公職にある者は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄付をしてはならない』と規定されていることから、公職選挙法に違反する可能性があると考えています」

 公選法違反に当たる可能性があることを明らかにした。これを受け、吉田議員は「この事例に対する町選挙管理委員会としての対応を問う」と質問した。

 町選管委の答弁はこうだ。

 「町選管委は地方自治法、公職選挙法の規定に基づき、選挙の事務を管理し、公正かつ適切に行われるように選挙民の政治的教養の向上に努めるよう定められています。このため、町選管委は公正な選挙が行われるよう、選挙の管理、啓発、周知に努めていきます。なお、選挙の取り締まりに関しては、公職選挙法第7条にあるように、検察官、都道府県公安委員会、警察官は選挙の取締に関する規定を公正に執行しなければならないと規定されています。このため、町選管委は選挙の事務を管理する立場であることから、今回の(寄付)報道に関しては、対応する権限はないものと考えています。今後も公職選挙法が適切に運用されるよう周知はしていきたいと考えています」

 こうした答弁を受け、吉田議員は次のように述べた。

 「私も議員になった際、団体などいろいろなところから寄付してほしいという要請がありました。もちろん断りましたが、寄付して名前を売るようなことが認められた慣習があるんでしょう。でも、それはダメだよということを、啓発活動をお願いしたい。そういう悪しき慣習をなくすという意味で、今回の件を教訓にしていただきたい」

 この点については答弁を求めず、別の質問に移った。

 寄付した議員については、「認識が甘い」としか言いようがないが、買収に当たるような悪質な行為かと言うと、そうとも思えない。ただ、ルールはルール。住民の代表としてどう振る舞うべきなのか考えてほしい。吉田議員は「悪しき慣習」と評したが、そういうことなのだろう。

 ところで、告発の件についてはその後動きはないようだが、今後の行方に注目したい。 

動き出した町長選

木賊町長
木賊町長

 同議会では、木賊正男町長に対して、6月23日任期満了に伴う町長選についての考えを問う一般質問もあった。町島洋一議員(副議長)が質問した。

 木賊町長は、コロナ対策や阿武隈川遊水地群整備への対応、鏡石浄水場と町民福祉センター「ほがらかん」オープンなどの実績に触れ、「町民、後援会の支持をいただけるのであれば、引き続き全力で町政を担いたい」と述べた。

 事実上の出馬表明と言っていい。もっとも、木賊町長はまだ1期目で町内では「次も出るのは間違いない」との見方が広がっていたから、多くの町民・関係者は「そりゃそうでしょ」と捉えている。

 木賊町長は1956年生まれ。須賀川高卒。1975年に町職員となり、総務課長、教育課長兼公民館長、税務町民課長などを歴任。2022年5月の町長選で無投票で初当選を果たした。現在1期目。

 地元紙報道などによると、「ほかに目立った動きはない」という。

 考えられるとすれば2つ。

 1つは、前段の「寄付問題」の稿で紹介した地域政党「町政刷新かがみいし」。ただ、同代表の吉田議員は、今回は「町政刷新かがみいし」として木賊町長を推薦する考えであることを明らかにした。

 もう1つは、古川文雄元議長。古川氏は2023年8月の議員改選になる前は議長を務めていたが、その年の町議選に立候補せずに引退した。

 当時、ある町民は「古川議長はまだ50歳で年齢的にも若く、『次期町長候補』と言われていただけに、引退はかなり驚きました」と話した。

 同時に町内では「町長選に向けて地ならしに入ったのでは」と推測する声もあった。

 古川氏は当時の本誌取材に次のように述べていた。

 ――辞めた後はどんなことを考えているのか。

 「私もまだ50歳ですからね。いろいろと考えていますよ」

 ――町内では「時期町長候補」との見方もあり、それだけに今回の引退には驚きの声が出ている。

 「私が(町長候補)ですか? まあ、さっきも言いましたけど、いろいろ考えているところです」

 今後については明言せず、「いろいろ考えている」とは何を指すのかが気になっていたが、その間に行われた県議選立候補などを模索したわけでもない。

 となると、やはり町長選ではないかと思えるが、ある関係者は「今回はないと思う」とのこと。

 このままいけば、前回に引き続き無投票になる公算が高い。

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