2024年10月の衆院選直前に選挙区内の祭りに参加した27団体に現金計25万円を配ったとして、元衆院議員の亀岡偉民氏(70)=自民党を離党=が公選法違反に問われている。検察は罰金50万円を求刑。8月6日に福島地裁で開かれた第10回公判で最終陳述に立った亀岡氏は「選挙違反だけはしていない」とあらためて無罪を主張し結審した。
亀岡氏は2024年10月15日に公示された衆院選の直前に福島1区内で行われた6つの祭りに参加した27団体に計25万円を寄付したことが公選法違反に問われている。この選挙では、自民党の旧派閥内で常態化していた政治資金収支報告書の不記載問題、いわゆる「裏金問題」で同党は国民の反感を買い、ベテラン議員が軒並み落選した。亀岡氏自身も不記載があったことが響き落選した。
公選法は選挙が近いかどうかにかかわらず、立候補者やその予定者が選挙区内の有権者に寄付することをいかなる名義でも禁じている。
祭りへの寄付は、地域住民からの刑事告発や報道で発覚するが、金額の多寡や悪質性の有無を勘案して不起訴になる場合が大半だ。有罪となる場合でも、政治家自身が罪を認めて略式起訴され、裁判所から出される略式命令に従って数十万円の罰金を払うケースが多い。立件されるかどうかは警察・検察の胸三寸となる。祭りへの寄付を巡って他の県議も取り調べを受けていたが、立件されたのは亀岡氏だけだった。亀岡氏が起訴され公開法廷にまで持ち込まれたのは、亀岡氏が落選し議員バッジを失ったから、そして無罪を主張して検察に強硬な態度を取ったからと言われている。
亀岡氏側は祭りへの寄付は文化振興団体の「福島メセナ協議会」の寄付活動を手伝ったに過ぎないと主張している。これに対し、検察側は7月15日に行われた論告で、祭り団体に衆議院議員の肩書が書かれた挨拶状と同協議会名義の現金が入ったのし袋を同時に手渡していたことをもって、両者は一体性があったと指摘した。選挙運動の会場を確保する際に亀岡事務所が「福島メセナ協議会」の名義で予約を取っていたことや、同協議会の会計を亀岡事務所の秘書が担っていたことなど複数の証拠を挙げて一体性を示そうとした。
8月6日の公判は、亀岡氏側が反論するターンだった。傍聴席は亀岡氏と縁の深い福島市議や支援者らで8割方埋まっていた。
弁護人は、「亀岡氏が現金を手渡した行為は認めているが、公選法に規定する寄付行為の主体としての行為には該当しない」とあらためて無罪を主張した。根拠は次の通り。
「協議会は1992、3年ごろに企業による文化芸術支援を目的として設立され、政治活動とは無関係。設立当時、亀岡氏は幹部就任の要請を『知見がない』と断わっていたので役員にすらなっていない」
資金管理については、「協議会は亀岡氏の政治資金や個人資金とは完全に別の独自資金を持っていた」とする。創設者の現金約800万円を原資として、遺志を継いで亀岡氏が2010年ごろに引き受けた。
「資金管理は亀岡事務所の会計担当者が政治資金とは分離しており、入金は一切なく支出のみだった」とし、「亀岡事務所では衆院議員名義の祝辞入り封筒と協議会の寄付用のし袋を明確に区別して渡すよう配慮していた。一部で混同した手渡しがあったのは多忙な状況下であり、担当者のミス」と説明。「亀岡氏と協議会が一体であったとするのは検察の印象操作」と述べた。検察が故意性を指摘したことに対する反論は、「偶然」や「たまたま」との表現が目立った。
最後に亀岡氏が証言台に立った。
「捜査によって長年の政治家の誇りを汚された。私も事務所職員も選挙違反だけはしていない」
判決は9月25日午後2時から言い渡される。





















に向けて掲げられたプラカード。過激な言葉が並んだ=2025年10月19日、仙台市青葉区河北新報提供-002_eyecatch-520x305.jpg)



