【楢葉町】松本幸英町長インタビュー

【楢葉町】松本幸英町長インタビュー

まつもと・ゆきえい 1960年12月生まれ。県立四倉高卒。1997年から楢葉町議4期、その間議長を2期務める。2012年4月の町長選で初当選を果たし、現在3期目。

 ――移住・定住施策のため、昨年、相談窓口機能を備えたコドウがオープンしました。

 「コドウの昨年度の移住相談実績は80件で、そのうち15名が移住に結び付きました。移住相談窓口以外にも大学生のフィールドワークの対応や、町内で新しいことをはじめたい方をサポートするスタートアップ支援も行っています。また、移住者の数だけを重視するのではなく、移住してきた方が、例えば起業して新たなサービス等を提供することによって住民の利便性が向上するなど、満足度の高い町になることが移住定住事業の重要なポイントだと考えています。そのために町としては今後、地域の担い手となる方や地域課題を捉え、起業を考える方をはじめ、多くの方に少しでもまちを知っていただくため、まずはぜひ足を運んでいただきたいと考えています」

 ――農業の6次化に取り組んでいます。

 「これまで農業再生について効率化・省力化に向けた担い手への農業集積や基盤整備、サツマイモの産地化など、特色ある新しい農業モデルに取り組んできました。新たなチャレンジとして地元農産物を活用した付加価値の高い特産品開発、商品化を進め、生産から処理、加工、さらには販売や販路へと一体的な流れを構築する6次産業化の第一歩として『楢葉町特産品開発センター』が4月に落成しました。この施設では主に甘藷・柚子・米を活用した加工品の開発や製造を行い、そのほかの町内産の農産物も幅広く活用しながら生産農家の経営安定を目指していきたいと考えています」

 ――今後の抱負。

 「震災から12年が過ぎ、ハード面の整備からソフト事業への移行が重要となる今『笑顔とチャレンジがあふれるまち ならは』の実現のための事業として、昨年オープンしたコドウやまかない付きシェアハウスでの事業に加え、新たに地域住民との交流拠点『まざらっせ』もオープンしました。これらを活用し、移住者と震災前から住む町民が互いに手を携え交流人口の拡大を図りつつ、さらに新しいステージへ邁進していきます。

 役場機能についても、今年度から住民サービス向上のため、窓口業務一元化として町民税務課を設置しました。また、新規企業誘致や安定的な雇用の確保に注力し、観光資源の活用も今まで以上に進めるべく、産業創生課を設置して組織強化を図っています。さらにはDX推進体制の整備・強化を目指し、政策企画課内にDX推進室を設置しました。私たちが目指すのは、最終的には町民の幸せな暮らしの実現です。このことを肝に銘じて全職員心を一つに今後も精進してまいります」

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