アメリカ合衆国が発動した相互関税政策、いわゆる「トランプ関税」が新たな局面を迎えている。
昨年春、トランプ大統領は日本に対して24%の相互関税を課すことを発表した。その後、日米間の交渉で日本向け相互関税は24%から15%へ引き下げられることになり、昨年8月から発動された。ところが今年2月、アメリカ連邦最高裁がトランプ関税の法的根拠となっていた措置を違法と判断。これを受け、トランプ大統領は相互関税をいったん終了させ、新たに全世界一律10%の「代替関税」を導入した。
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これが現在も続いているが、代替関税の根拠になっている通商法では「最大150日間」とされているため、7月下旬にその期限を迎える。それを前に、トランプ大統領は新たな「代替関税」案を視野に入れており、それが発動されれば、日本には一律12・5%の関税がかけられることになる。
かなり、複雑かつ不透明な状況だが、その影響は各所に及んでいる。本誌では今年1月号で「酒造メーカーの苦悩
トランプ関税、酒米高騰が経営を直撃」という記事を掲載した。それに先立ち、県は昨年6月議会でトランプ関税対策予算を含む補正予算を計上した。目玉になるのは関税対策特別資金事業だが、当時の本誌取材に県商工労働部経営金融課の担当者は「やはり、自動車産業への影響が多いと考えています。また、日本酒を製造・販売・輸出しているところも、自動車産業と並んで影響が懸念されます」と話していた。
そこで、関税発動から一定期間を経て、日本酒メーカーへの影響を取材・リポートしたのが1月号記事である。
詳細は同記事を読んでいただくとして、今回は県の主要港である小名浜港と相馬港の取扱貨物量の変化について調べてみた。もっとも、いま公表されているのは2024年分までで、トランプ関税発動後の数字はまだ公表になっていない。
ただ、県港湾課によると、「小名浜港、相馬港はエネルギーや原材料の輸入港という性質が強いため、アメリカの関税によって、取扱貨物量が減ることはないと想定されます」とのこと。
確かに、両港の主な取扱貨物を見ると、エネルギー系(石炭、液化天然ガスなど)の輸入が多く、輸出はそれほど多くない。少なくともトランプ関税の影響が懸念される製品の輸出はないから、直接的な影響はなさそう。
ただ、県内には、例えば小名浜港で輸入された鉱石や化学原材料を中間素材に加工して国内外の自動車・電子部品メーカーに供給しているところもあるから、間接的に影響を受ける可能性は否定できない。すなわち、米国向け完成品(自動車など)の輸出が鈍る→国内外のサプライチェーンで素材需要が減る→県内の工場が生産調整を行う→小名浜港の鉱石や化学原材料などの輸入取扱量が減少する、ということが起こるかもしれない。その場合、間接的なものなので、すぐに影響を実感するわけではなく、時間差でじわじわと押し寄せてくることになろう。
一方で、県内で生産されたものがアメリカに輸出される場合、どういったルートを辿るのか。小名浜港や相馬港、福島空港から輸送されるわけではなく、多くは、一度陸路で首都圏に運ばれ、東京港、横浜港、成田国際空港などから輸出されるようだ。

























