【古川文雄】鏡石町議長の引退に驚き

【古川文雄】鏡石町議長の引退に驚き

 鏡石町の古川文雄議長(3期)が8月22日告示、27日投開票の町議選に立候補せず引退するという。古川議長はまだ50歳と若く、町内では「将来の町長候補」とも言われている。さらに、6月には県町村議会議長会長に選任されたばかり。それだけに、町内では驚きの声が出ている。

町内では「次期町長候補」との呼び声

 本誌7月号の情報ファインダーで鏡石町議選の情勢について伝えた。

   ×  ×  ×  ×

 鏡石町議選で定数割れの懸念

 任期満了に伴う鏡石町議選が8月22日告示、27日投開票の日程で行われるが、ある町民によると定員割れの可能性が出ているという。

 「地元紙のマメタイムス(6月22日付)に『定員割れの可能性大』と報じられたのです。それを見て、そんな情勢になっているのかと驚きました」

 『マメタイムス』(6月22日付)は「鏡石町議選告示まで2カ月 現職6人・新人2人が立候補の意向 動き鈍く定員割れの可能性大」との見出しで情勢を報じた。

 それによると、定数12(欠員1)に対して、同日時点で立候補を予定しているのは現職6人と新人2人の計8人。残る現職5人は2人が引退濃厚で、もう1人も引退の意向。2人は態度を決めかねているという。情勢によっては、複数新人擁立の動きもあるようだが、「低調で定員割れの可能性も指摘されている」と伝えている。

 ちなみに、本誌では込山靖子議員が渡辺定己議員(現在は辞職)から不適切な言動を受けたと訴え、昨年8月に政治倫理審査請求書を提出した件について、2月号「鏡石町議会政倫審が元議員の『不適正行為』を一部認定」という記事のほか、何度かその動きを報じてきた。

 その中で、《込山議員は周囲に「もうウンザリ」と明かしているというから、今夏の町議選には立候補しない可能性もある》と書いた。

 ただ、前述のマメタイムス記事では「(込山議員は)引退を撤回し、出馬の意向を固めた」と伝えられている。

 同町6月定例会では、定員割れの可能性があることを見越してか、議員発議で定数を12から10に削減する条例改正案が提出された。ただ、採決の結果、賛成2、反対8の賛成少数で否決された。

 告示まではまだ1カ月以上あるため、いまの情勢を踏まえて候補者が出てくる可能性もあり、動きが注目される。

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 同記事では触れられなかったが、『マメタイムス』(6月22日付)によると現職議員の進退の詳細は以下の通り。

 立候補の意向▽円谷寛議員、小林政次議員、橋本喜一議員、吉田孝司議員、角田真美議員、込山靖子議員

 引退▽今泉文克議員、古川文雄議長

 引退の意向▽菊地洋議員

 流動的、進退を決めかねている▽畑幸一副議長、大河原正雄議員

 この中で、気になるのが「引退」と報じられた古川文雄議長だ。

 「古川議長はまだ50歳で年齢的にも若く、町内の一部関係者の間では『次期町長候補』とも言われています。それだけに、引退と報じられたのは意外というか、かなり驚きました」(ある町民)

 古川議長は、岩瀬地方町村議会議長会長を務め、今年6月5日に開かれた県町村議会議長会の総会で会長に選任されたばかり。

 その際、町内ではこんな声が出ていた。

 「岩瀬地方町村議会議長会は、鏡石町と天栄村の2町村だけだから、両町村の議長が交互に会長に就く。県議長会長も各地区持ち回りだが、岩瀬地方の2町村交互に比べると、回ってくる確率は格段に下がる。そんな中で、今回、古川議長にいろいろな順番がすべて当たったことになる。そういう意味では『持っている』と言うことができるし、今後、本当に町長選に出るのかどうかは分からないが、もし出るとしたらその肩書きや、そこで得られた人脈などは間違いなくプラスになるだろう」

 そんなことが囁かれていただけに、8月の町議選に立候補しないとの報道には驚いたというのだ。

 ある議員は「町長選に向けて地ならしに入ったのでは」との見解を示した。

 ただ、現職・木賊正男町長の任期は2026年6月までで、残り3年近くある。3年後の町長選を見据えて、今回の町議選を見送ったとは考えにくい。むしろ、次の町長選まで議員(議長)を続け、県町村議長会長の肩書きで動いた方が有利に働くと思われるのだが……。

 ちなみに、前回(2019年8月)の町議選では524票を獲得、4番目の得票で当選している。それ以前の町議選でも上位で当選しており、選挙で苦労しているわけではない。そもそも町議選で苦労していたら、最初から「町長候補」とは言われないだろう。

古川議長に聞く

古川議長(「議会だより」より)
古川議長(「議会だより」より)

 一方で、「自身が経営する会社で何かあったのではないか」との見方もある。

 古川議長は左官工事業「村上工業所」(同町旭町)のオーナーで、自身が経営する会社で何かあった、あるいは経営に専念するためではないか、という見方だ。

 民間信用調査会社によると、同社の直近5年の売上高、当期純利益は別表の通り

村上工業所の業績

決算期売上高当期純利益
2018年1億2100万円12万円
2019年1億4400万円1195万円
2020年1億3300万円△434万円
2021年1億2500万円1622万円
2022年1億3000万円566万円
※決算期は3月。△はマイナス

 2020年は434万円の損失を計上したが、それ以外は利益を確保しており、売上高も一定している。これを見る限りでは、会社の経営に専念するためではないか、という見方は説得力に欠ける。

 こうして見ても、「次期町長候補」と言われた古川議長の引退は意外だが、実際のところはどうなのか。古川議長に話を聞いた。

 ――古川議長が引退するとの報道を見たが。

 「それは事実です」

 ――辞めた後はどんなことを考えているのか。

 「私もまだ50歳ですからね。いろいろと考えていますよ」

 ――県町村議会議長会長に就いたばかりだが。

 「ちょうど3カ月ですかね(※6月5日の総会で県町村議会議長会長に選任され、鏡石町議員の任期は9月3日まで)。任期満了後は自動失職の形になると思います」

 ――町内では「次期町長候補」との見方もあり、それだけに今回の引退には驚きの声が出ている。

 「私が(町長候補)ですか? まあ、さっきも言いましたけど、いろいろ考えているところです」

 引退は事実とのことだが、今後については明言しなかった。「いろいろ考えている」とは何を指すのかも気になるところだ。

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