作家、税理士、Uターンジャーナリスト、編集者。
東京と福島。
共通点は、女性であることだけ。
武塙麻衣子 / 伊藤江梨 / 斎藤美幸 / 藤澤千春
第2回
武塙麻衣子「ゆうべ、酒場で」
一皿目は東京・八広、二皿目は横浜・野毛。肉豆腐の旅は続く。

photo by Yusuke Nakanishi
肉豆腐を食べ歩くことにしたんだ、と話すとみんな一瞬ぽかんとしてそれから「なんかいいねえ」と答える。肉豆腐と聞いて人々の頭に浮かぶのはどんな一皿なのだろう。
甘辛く煮しめてあってもあっさり透明な出汁で仕上げていても同じ名前。その輪郭はあまりに曖昧だ。味も形も様々なのにどれも確かに肉豆腐。
興味が湧いてまずは食べ歩くことに決め、では地元横浜で肉豆腐と言えばどこだろうと考えていたところ、友人があっさりと野毛に行けばいいじゃないと言った。
まるで野毛に行けば食べられないものなど何ひとつないとでもいうように。
伊藤江梨「夜明け前の地域経済ノート」
中高生のなりたい職業、男女とも1位は「公務員」。これを夢と呼ぶのか。

いとう・えり 1984年1月生まれ。安積黎明高、大阪大卒。共同通信社記者を経て、税理士に転身し、2017年4月に暁経営会計を開業。家業の建設会社を継承し、2020年に同名の株式会社として再出発を果たした。東北税理士会福島県支部連合会広報部長などさまざまな団体の要職を務めている。事実婚で2児の母。
ソニー生命保険の「中高生が思い描く将来についての意識調査2025」で、男子中学生の「将来なりたい職業」1位は、ユーチューバーを3位に蹴落として「公務員」が初の1位になった。
女子中学生も2位は「公務員」。高校生は男女ともに1位「公務員」という、徹底した安定志向が浮き彫りになった。
第一生命保険の「第37回大人になったらなりたいもの」アンケートでも、会社員、公務員がずらりとならぶ。社会不安の表れだろうか。
斎藤美幸「沈みゆく船の穴を誰が塞ぐのか」
若者は「結婚はガチャだ」と言う。当たり外れの世界に、女が放られる。

さいとう・みゆき 福島市唯一の造り酒屋金水晶酒造株式会社4代目蔵元取締役会長。Uターンジャーナリストとして内外の視点から情報発信している。元フジテレビ・福島テレビ記者。
【第2回】結婚
女性が戻らない県という現実
前回、私はふるさと福島県で若者、とりわけ若年層が急速に減少している現状から話を始めた。県内大学の定員を上回る進学希望者が存在し、毎年約4000人が県外へ流出する。
男性はある程度Uターンするが、女性は希望する職に就けないため戻る人が少ない。その結果、福島では若い独身女性100人に対し男性が136人という47都道府県で一番男女比の差が大きい「男あまり県」となり、出生数は30年前の4割にまで落ち込んだ。
AIはこの状況を「沈みゆく船」と表現したが、本質は明確だ。
「安定した職がない」という船の穴が放置されているのである。この穴を塞がなければ、誰も安心して乗船しない。
藤澤千春「女性編集者と言われても」
「女性論客」として、テレビに呼ばれた。「男性論客」という言葉はない。

メディア出演の功罪
前回、編集者はいつ誰から相談を受けてもよいように手を空けておかなければならない、と書きました。誰もボールを拾わない間隙を縫うのが編集者の仕事のひとつです。それゆえに、『射精責任』などフェミニズム・ジェンダーをテーマにした書籍の担当編集者として「女性論客」的な役割を引き受けることもあります。
この「女性論客」としてメディアに出る、というのは、不思議な仕事です。少し考えてみればわかることですが、「男性論客」という言葉は成立しません。
どうしてこのような奇妙な言葉が生まれるのか、考えてみましょう。
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