猪苗代・飛び地メガソーラー新旧運営者の係争を追う

2025年1月号に続き、今年1~3月号で報じてきた猪苗代町の飛び地メガソーラー問題。本誌の見立て通り、経済産業省は事業者が再生可能エネルギー特別措置法に違反して固定価格買い取り制度(FIT)の認定を受けていたとして、認定を取り消した上で交付金の返還を命じていた。4月6日に発表した。2024年度以降、国は違法業者に対し、不当に得た交付金の返還を命じることが可能になった。メガソーラーで交付金返還命令が出たのは、この発電所が全国で初めての事例だ。

猪苗代町の飛び地メガソーラーは、名称を「Blue Power(ブルーパワー)猪苗代発電所」という。経産省が発表した資料では、「Blue Power磐梯猪苗代発電所」となっている。

この違法な発電所は、町の林の中に2枚のパネルを置き(種地)、そこから3㌔離れた会津若松市のゴルフ場跡地に大量のパネルを並べ(飛び地)、両所を自営線と呼ばれる電線でつなぐことで同一のメガソーラーとみなしている。種地でFIT認定を受けたが、様々な事情で周辺にパネルを設置できない場合に繰り出される苦肉の策。離れてはいるが自営線でつながっているので一体、という理屈だ。

本誌は今年1月号で、この発電所が昨年7月4日に認定取り消しとなっていたことをつかみ、交付金の返還義務が生じると予測した。経産省によると、認定取り消しになった場合は全ての施設を事業者負担で撤去しなければならない。本誌は撤去費用は2・5億円以上になると試算している。

問題のBlue Power磐梯猪苗代発電所を設置したのは再エネ事業などを行うブルーキャピタルマネジメント(東京都港区、原田秀雄社長。以下ブルー社と略)だが、運転開始前に売却され、現在の事業者はCEISIEC(サイズイク)合同会社(東京都千代田区、代表社員NSC一般社団法人、業務執行者・本間理志氏)となっている。

CEISIECによると、同社はブルー社と「係争中」という。本誌は2月に、CEISIECの取材窓口になっている「CEISIECアセットマネジメント合同会社」の岡林亜希良氏に「自営線でつながっていない状態で売電していたということは、その間の売電収入は返還義務が生じるのではないか」と尋ねた。岡林氏は「現在の諸々の事態はブルー社に責任があり、同社に対する責任追及を検討・準備しているため、これ以上はお答えできません」と答えていた。

「係争中」、「旧運営者に対する責任追及を検討・準備」というからには裁判沙汰になっていると考え、本誌は東京地裁に両社を当事者とする訴訟がないか問い合わせた。結果は、

「現在、同名の会社を当事者とする訴訟は入っておりません」

両社の本社は東京にあるので、東京地裁で係争が繰り広げられていると睨んだが該当はなかった。①まだ期日が入っていない、②当事者名が異なる、③別の裁判所で係争、④そもそも裁判での争いを考えていない、など様々な可能性が考えられる。

他に注目すべきは、CEISIECが関与するメガソーラーの多くにはJA三井リース(東京都中央区)が債権者として関わっている点だ。同社の有価証券報告書を見ると、投資目的でCEISIECの有価証券1億円を所有している。どこまで事業者の「真の姿」にたどり着けるか。田舎が食い物にされる違法メガソーラーの構図を知ってしまった地方雑誌に課された使命だ。

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