しいね・たけお 1977年生まれ。安積高校、新潟大学農学部卒。国会議員秘書を経て県議を4期13年務める。昨年4月の郡山市長選で初当選を果たす。
――市長就任から1年が経過しました。これまでを振り返っての率直な感想を。
「この1年間で約1400を超える公務をこなし、現場に足を運び、市民や事業者の皆様の声をうかがってきました。あらためて郡山市が良いまちだと感じるとともに、その魅力をさらに磨き上げ、本市を選び続けてもらえる地域にしていくことが私の責務だと考えています。
一方で、人口減少や首都圏への若い世代の流出など課題も多く見えてきました。今後は、それらに着実に取り組みながら、よりよい郡山市政の実現に向けて全力で政策を進めていきます」
――今年度から令和15年度までを計画期間とする「郡山市第7次総合計画」がスタートしました。計画の内容をお聞かせください。
「第7次総合計画は令和8年3月に策定した、本市の政策運営における最上位計画です。市民、事業者、行政が共有すべき将来像を明確にし、限られた財源や人材を効果的に活用していくための羅針盤となるものです。将来都市像は『東北の鼓動 未来を奏でる 選ばれるまち 郡山』。東北全体を牽引し、力強く躍動し続ける姿、多様な主体が一体となって未来に挑戦し続ける姿、そして市民の皆様が本市を選び続け、市外の方からも選ばれるまちの姿を明確に示したものです。市政運営の基本方針として『選ばれるまち』『暮らしの充実・笑顔になれるまち』『経済の活性化』の3つを掲げ、①こども・教育、②産業・仕事、③交流・にぎわい・文化、④健康・福祉・医療、⑤防災・環境・社会基盤、⑥市民協働・行財政の6つの大綱で施策を展開していきます。令和8年度予算は『市民とともにまちを動かす予算』をテーマに、若者地元定着、魅力発信、子育て支援、まちづくり(ハード・ソフト)、物価高騰対策の6分野を重点に編成しました」
――市内の人口は2005年の約34万人をピークに減少傾向です。県内では「住みたい街」として一定の人気を得ています。人口減少対策の方向性は。
「現在の人口は約31万5000人で、約20年でおよそ2万5000人減少しました。一方で、郡山市は交通の要衝という強みを生かし、子育て世代や若い世代に選ばれてきた地域でもあります。人口減少と少子高齢化、それに伴う経済の停滞は密接に絡み合った最重要課題で、市単独では解決できません。国や県、こおりやま広域圏など周辺市町村との連携を強化しながら、それぞれの課題を全体最適で捉え、相乗効果を生み出していきます。とりわけ若い世代の首都圏への流出を食い止めるため、首都圏で生活する学生や本市にゆかりのある若者を対象とした『ふるさとKORIYAMA交流事業』、若者の熱意や感性をまちづくりに反映する『Koriyama Z-LINK』、若者が地域で『やりたいコト』を実現する『Koriyama Z-PRO』など、Z世代を中心とした若者地元定着の新規事業を展開します」
――今春から「選ばれるまち推進課」を新設しました。狙いと現状を。
「少子高齢化と人口減少が進む中、本市が様々な分野で選ばれ続けるためには、魅力を戦略的かつ効果的に発信していく専門組織が必要です。令和8年4月1日に『選ばれるまち推進課』を新設し、人口減少時代にあっても『郡山を選ぶ人や企業を増やす』ことに特化した組織として動き出しました。組織体制は『魅力発信係』と『移住・定住推進係』の2係で、シティプロモーション、フロンティア大使、ファンクラブ、ふるさと納税に加え、UIJターンなどの移住支援、地域おこし協力隊、企業版ふるさと納税などを一体的に所管しています。商工会議所などの関係団体やZ世代の若者をはじめとする多様な世代の皆様と連携・協働し、企業・若者・移住者・関係人口・スポーツファンなど『外からの流れ』を生み出す中核として機能させていきます」
――郡山市の今後のまちづくりに寄与すると思われるのがプロスポーツの盛り上がりです。男子プロバスケットボールの福島ファイヤーボンズ、女子バレーボールのデンソーエアリービーズが郡山市をホームタウンにしていることなど、まちづくりにおけるスポーツの力と可能性は。
「本市に拠点を置くトップスポーツチームには、バスケットボールB2リーグの福島ファイヤーボンズ、女子バレーボールSVリーグのデンソーエアリービーズ、そしてルートインBCリーグの福島レッドホープスがあります。ファイヤーボンズは今シーズン、プレーオフへ進出し、クラブ史上最高成績の準優勝に輝き、市民に勇気と感動を与えてくれました。ホームゲームの平均入場者数も4000人を大幅に上回り、市民と一体となった応援が実現しています。また、デンソーエアリービーズも平均入場者数が前期比約2倍に増加する盛り上がりで、デンソーは新たな練習用体育館の建設にも踏み切るなど、地域への投資も進めています。多くの観客が訪れることで飲食・宿泊・物販など広範な経済波及効果が期待でき、子どもたちにとってもトップアスリートが身近にいることが夢や希望を抱くきっかけとなります。これらのチームとの連携をさらに深め、まちづくりに生かしていきます」
――今年度の重点事業を。
「JR郡山駅西口エリアの一体整備に取り組みます。本市の玄関口として、令和8年度から基本計画の策定に着手し、ロータリー改修や渋滞対策、案内所・待合所・トイレを兼ね備えたバスステーションの整備、大屋根や芝生エリアによるにぎわい広場の検討など、駅前空間の利便性と魅力の向上を進めていきます。子育て分野では、新生児・乳児の肺炎予防のためのRSウイルスワクチン定期接種を開始し、5歳児健診の実施体制整備や奨学資金の増額にも力を入れます。経済基盤の強化では、郡山西部第一工業団地への企業集積の流れをさらに加速させ、新たな産業用地の調査を進めます。物価高騰対策としては、水道料金(準備料金)半年分の免除や住民税非課税世帯への給付、学校給食費の全額公費負担などに取り組み、市民の暮らしと事業者を支えていきます」
――最後に抱負を。
「就任から1年、市民の皆様から多くの声をいただきました。私自身、県議として4期13年間、市民の声をベースに県政に携わってきた経験があります。県との連携は、郡山市が抱える複合的な課題に対処していくうえで重要であります。市民の皆様が笑顔で暮らせる『選ばれるまち 郡山』を実現するため、これからも全身全霊で市政運営に取り組んでまいります。郡山市の未来を創造する新たな挑戦に、どうぞご期待ください」
▼過去のインタビュー
【郡山市】品川萬里市長インタビュー【2023】
【郡山市】品川萬里市長インタビュー【2024】
【郡山市】椎根健雄市長インタビュー【2025】

























