うえすぎ・けんたろう 1975年4月生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。2017年の衆院選(比例東北)で初当選し、2期務める。その間外務大臣政務官などを歴任。今年2月の衆院選では福島3区で当選し、現在3期目。
福島3区の自民党空白を埋める形で、上杉謙太郎氏(51)が2026年2月8日投開票の第51回衆院選で小選挙区としては初当選を果たした。比例東北で2期務めた後、1度の落選を経て、3度目の議席獲得。10万7649票を得て中道改革連合の現職に約3万票差をつけた。衆議院総務委員会理事を務める上杉議員に、有権者への思いと国政への決意を聞いた。
――選挙戦の手応えと国政に臨む決意をお聞かせください。
「福島3区は、前回衆院選以降与党自民党の衆院議員が不在の状態にあったため、『国に声を届ける地元選出の衆議院議員がおらず、国への要望窓口がなく、誰にお願いしたらよいか分からない』という切実な声が多く寄せられていました。それゆえ、急な解散総選挙となりましたが、首長さんや各種団体をはじめ地元有権者の皆様から大きな期待の声をいただきました。もう一度政権与党である自民党の衆院議員を3区に誕生させ、それぞれの地域を良くしたいという皆様の思いに支えられての勝利と受け止めています。
福島3区は会津17市町村と県南9市町村を合わせ26の市町村で構成されています。それゆえ各地域の課題も多種多様で、かつ多くの課題を抱えており、26の市町村それぞれの自治体の力だけでは立ち行かず、まさに国の力が求められています。そういった中、あらためて国政の場に戻り、地元と国をつなぐ橋渡し役を担えることになりました。それぞれの地域の課題を一つひとつ謙虚に受け止め、各省庁に掛け合いながら予算と政策に落とし込んでいくのが国会議員の重要な仕事の1つです。福島3区の代表としてしっかりと期待にお応えしていくことが私の責務だと考えています」
――福島3区は県南と会津で抱える課題が異なります。優先的に取り組む分野を教えてください。
「26の各市町村の首長さんや議員さんからすでに多くの要望をいただいており、分野は人口減少や過疎化、燃料や物価高騰、道路や橋梁、医療や福祉、教育等ほぼ全ての分野にまたがっています。またJAや建設業協会など各種団体の皆さんからも業界特有の要望もいただいています。
まさに優先的に取り組むべきは分野を限定せずこういった要望一つ一つを解決していくことです。すでにいただいた課題・要望は150件を超えています。また先日、自民党福島県連主催の移動政調会がありました。これは県議の役員の先生方とともに各市町村の役場に足を運び、首長さんや役場から直接要望を伺うものです。また会津17市町村の首長議長で構成する会津総合開発協議会という枠組みもあります。ここでは総務省や国交省をはじめとして中央省庁に要望する活動を行っています。先日まさに要望の日でしたので、各首長議長さんを各省庁にお連れしました。こういった課題・要望一つ一つを解決することをまず優先的に行っていきたいと考えています」
――教育について、小中高それぞれで統廃合が進み、通学負担や教育格差も広がっています。福島県の教育課題についてどう対応しますか。
「少子化で県内全域で小中高校の統廃合が進み、通学負担の増大と教育格差が進んでいます。加えて、全国と比較した時の学力や進学率の課題、不登校、教員の負担増加、部活動の統合と地域移行等教育課題は多々あります。私は地元で4人の子を育てる父親として小学校PTAや幼稚園保護者会の役員もやらせていただいていますが、父親として見える学校現場の課題は全国の地方の子供達に共通する課題ですので、一つ一つ文科省と連携し政策に反映させてきました。一つ具体的な事例をお話すると、不登校や引きこもりになってしまった子に向けた新しい制度、『学びの多様化学校(不登校特例校)』制度があります。一人ひとりに寄り添い集団授業ではなく個別に先生が対応してくれるといった学校です。棚倉町の高野小学校が県内初としてスタートしています。
また、これからの地方は世界とダイレクトにつながるべきです。中山間地域の学校からでも、オンラインで最先端の授業を受け、世界中の子どもたちと交流するなど、地方にこそグローバルな視点と体験が必要です。文科省の令和8年度予算でも遠距離通学支援やICT・デジタルの活用が重点化されています。国の施策と予算を呼び込み、子どもたちの教育環境の改善に貢献していきたいと考えています」
――外務大臣政務官や農業政策の要職を歴任されてきました。国際情勢の変化と農林水産業についてビジョンを聞かせてください。
「イラン情勢やウクライナ戦争で経験したように国際情勢が私達の生活に影響を直接及ぼす時代になっています。また、先の大戦の苦難をご経験された方々がいなくなってきている中で、世界の2大国が戦争をしている今、私たちの世代以降はもうこれ以上、国家間の問題を解決する手段として戦争を選択してはなりません。どの国の指導者も戦争を望んでいないはずなのに選択せざるを得ないのは、国際間の制度に限界があるからです。ですので、戦争を選択させない新たな制度を設計しなければなりません。目指すべきは、戦争を選択した瞬間、その国家に圧倒的不利益が生じるという制度です。機能不全が露呈した国連の改革なのか他の形か、一朝一夕に答えは出ませんが、今こそその議論をスタートし、日本が主導していくべきです。
安全保障に関連した農林水産業の話では、国家の根幹を支える最も重要な点が『食料安全保障』です。特に主食のコメについて、自給率100%との誤解が多いですが、肥料や飼料、農機具まで海外に依存しているのが現状です。私がかねてより提言している種苗の国内基盤の確立を含めて、農家の皆さんが真に稼ぎ豊かになる農林業の確立と真の食料自給率向上を目指す必要があります」
――国政におけるご自身の役割と有権者へのメッセージをどうぞ。
「選挙区の代議士としてと、国の代表としての2つの役割を果たします。まず選挙区の代表者として、26市町村の課題を丁寧に受け止め、時間がかかっても一つ一つ確実に形にしていこうと思います。また旧3区の地域を含めて県内全域の課題に取り組み、震災から15年を経て次の20年までの福島復興を進めます。
次に国の代表者として、まずは税の枠組みの抜本改革を進めます。東京一極集中を是正し地方が真に自立するため、東京に集中する法人事業税などの地方税を是正し、地方自治体の財源を増やすというものです。時間はかかりますが総務省、財務省とともに議論をスタートしています。2つ目は強い経済と凛とした外交安全保障です。同時に戦没者遺骨収集事業の推進や拉致問題の解決、そして皇室典範の改正と憲法改正を進めていきます。戦後最も厳しい安全保障環境の中で日本は日本人が守り、新しい世界を牽引する役割を日本が担うべく活動していきます。
上京日程も多く、選挙区も広く、26市町村の皆様それぞれになかなかお会いできないことも出てくるかと思いますが、3区の皆様にはその分地元を良くし国を良くしていく仕事をすることで恩返しをしていく所存です。引き続きのご指導ご支援を賜れればありがたく存じます」
▼過去のインタビュー
【上杉謙太郎】衆議院議員インタビュー【2023】
【上杉謙太郎】衆議院議員インタビュー【2024】
【上杉謙太郎】自民党福島第3選挙区支部長に聞く【2025】

























