あさくら・しゅんいち 1950年生まれ。聖光学院高卒。76年にアサクラ(現ダイユーエイト)創業。2019年4月、経営統合で設立されたアレンザホールディングスの社長に就任し、23年5月から現職。
ダイユーエイトなどを運営するアレンザホールディングス(福島市)は、2月にコーナン商事(大阪市)との資本業務提携を発表し、上場廃止を経て新たなステージへと踏み出すことになった。創業50周年を迎えた節目の年にあたり、同社の浅倉俊一会長兼CEOに、2026年2月期決算の総括と今後の経営戦略を語ってもらった。
――ホームセンターチェーンを運営するコーナン商事が実施したTOBが3月30日に成立し、4月6日付で同社の持分法適用関連会社となりました。6月26日には上場廃止予定です。資本業務提携に至った経緯を。
「企業は常に成長戦略と収益力を求められますが、人口減少で市場が縮小する中、自力だけで成長を描くのは難しい。優勝劣敗の構図の中で勝ち残るには、業務提携によるシナジー創出が不可欠だと考えていました。コーナン商事側から声をかけられ、社長とも交流があり相性も良かったため、友好的TOBという形で踏み切りました。シナジー効果を出して成長を続ける枠組みです。
バローホールディングスとも親子上場関係にありましたが、東証の親子上場規制が進む中、透明性の面でも今が最適でした。ホームセンター業界は1兆円企業を目指すべき構図となっており、合従連衡は今後も進むと見ています。エリアごとの事業会社としては、プライベートブランド(PB)商品やメーカー統一、物流のシナジー効果を出していくのが課題になります。お客様にとって安くて便利であればどこで買い物してもいいわけで、企業として成長できる選択が大切だと考えました。次の世代に残すべき経営基盤を作るのが私の使命と考えています」
――2026年2月期は売上高1506億円(前期比1・8%減)、営業利益40億9800万円(同16・8%増)、経常利益45億7400万円(同15・7%増)、当期純利益25億4400万円(同21・8%増)と減収増益でした。
「売上高の前期比1・8%減は客数減によるものです。人口減少と競争激化で、あらゆる企業が客数減に陥っており、この程度で収まったのは良かったと考えています。営業利益はPB強化や仕入れ先の統一などで粗利益率が改善し、販管費もコントロールできたことが寄与しました。さらにホームセンターらしい品揃えを強化したのも大きい。園芸用品など他業態と競合しにくい商品の構成比を高め、適正な利益率を確保できる方向に売り上げ構成を変えました。ティッシュペーパーなど競争が激しい商品は低利益率にならざるを得ませんが、仕入れ構造改革やコスト削減を粘り強く進めてきた成果が結実した結果と捉えています」
――主力のホームセンター事業の振り返りと今期の見通しを。
「2026年2月期はホームセンター1店舗、プロショップ1店舗の出店にとどまりました。建築費の高騰で採算が厳しく、出店を見合わせた経緯があります。2027年2月期はホームセンター2店舗、プロショップ3店舗を計画しています。特に職人向けのプロショップは低コストで出店でき、当グループとしても積極的に進める方針です。園芸や工具金物といったホームセンターらしい専門分野を強化し、地域にとって魅力ある店舗づくりを着実に進めていきます」
――ペット事業「ペットワールドアミーゴ」の業績と今後の方針を。
「2024年9月にアミーゴが㈱ジョーカーを吸収合併し、グループ内のペット事業を集約しました。2026年2月期は10店舗を新規出店し、店舗数は132店舗となりました。2027年2月期は6店舗の出店を予定しています。ただ、人口減少でペット飼育数もピークアウトの方向にあるため、今後は人口密度の高いエリアを中心に集中出店する方針です。小規模な店舗展開も可能なため居抜き物件を活用したスピーディーかつ柔軟な出店ができます。大型店ではクリニックを併設し、愛犬家の交流の場も整えています。ペットを家族の一員として迎える時代の中、総合ペット専門店として『日本一のペットショップ』を目指していきます」
――MAXふくしまの1〜2階に「MEGAドン・キホーテ」が出店します。同社と業務提携する形で出店が決まった経緯について。
「もともと中心市街地活性化のため、市の要請で当社が出店した経緯があり、15年契約が昨年満期を迎えました。さらなる活性化のため、若者を集めるノウハウを持ち、食品も扱うドン・キホーテさんと組むのが最適と判断しました。当社が建物を所有し1、2階を賃貸するテナント方式で、自転車店や飲食コーナーなどは当社で運営します。オープン予定は6月30日です。4月に駅西口にロピアが開業し、東西の核店舗が出そろうことで福島市街地の活性化が一気に進むと期待しています。ナショナルブランド力を持った企業の出店は、地域全体の集客力と回遊性を高めるはずです」
――原油高、人口減少、少子高齢化など、さまざまな課題に直面する福島県経済の展望を。
「福島県は震災特需が収束しつつあり、若手や女性の人口流出が深刻です。市場が縮小する中、企業としては社員一人ひとりが能力を発揮できる魅力ある会社づくりを進めることこそが地方創生の一翼を担うと考えています。地方創生は国・県から下りてくるものに依存するのではなく、民間が動き、行政に協力を求める逆の発想が必要です。
一方、物価高は世界的なインフレに端を発するものなので、価格転嫁できる体制を整え、経営努力でコストをコントロールできるかが企業として試されています。給与水準を含めた働き甲斐のある職場づくりで、優秀な人材を県内につなぎとめる魅力づくりこそ、私たち企業の責任だと考えています」
――2030年売上高3000億円の中期ビジョン「Challenge3000」を掲げています。今後の抱負をお願いします。
「今年はダイユーエイト創業50周年の節目を迎え、次なる100年に向けたスタートの年と位置付けています。コーナン商事との業務資本提携によりグループの売上規模は6500億円となり、ホームセンター業界では国内最大規模になります。ただここで満足しては将来性はない。1兆円競合の中でもリードしていく立場にあるべきだと考えています。
優勝劣敗が進む業界で生き残る鍵は専門性です。ゼネラルストア(総合店)ではなくスペシャリティーストア(専門店)として、商品も人材も専門店らしさを徹底し、サービスの質を磨きながら、人口減少が進む中でも地域に必要とされる企業として、変化の激しい時代を危機感を持って成長し続けていきます」
▼過去のインタビュー
【アレンザHD】浅倉俊一会長兼CEOインタビュー【2023】
【アレンザHD】浅倉俊一会長兼CEOインタビュー【2024】
【アレンザHD】浅倉俊一会長兼CEOインタビュー【2025】

























