【福島県建設業協会】長谷川浩一会長インタビュー(2025.2)

【福島県建設業協会】長谷川浩一会長インタビュー(2025.2)

経歴

はせがわ・こういち 1962年生まれ。法政大卒。堀江工業(いわき市)社長。2019年5月に県建設業協会会長に就き、現在3期目。

 ――新年の抱負についてお聞きします。

 「自然災害の大規模化、広域化や社会インフラの老朽化が進む中、危機管理や長寿命化対策を担う建設業の役割は一層重要度を増しています。特に東北地方では、気候変動の影響と思われますが、これまでと異なる規模の豪雨が頻発しており、想定を超える災害への対応が求められています。自然災害から県民の生命財産を守り、災害が起こった際は一刻も早い復旧を果たせるように、我々地域の建設業が『地域の守り手』としての責務を担っていきます。そのため、経営基盤の一層の強化と技術力の向上を推進していきたいです」

 ――慢性的な人手不足に加えて、75歳以上の後期高齢者が増え、多くの退職者が出る『2025年問題』も待ち構えていますが、県内の建設業者の動向はいかがでしょうか。

 「人材確保は最重点課題に挙げられます。協会では会員企業の従業員数の推移の試算を行いました。約20年後までにこれまでの水準で採用できたと仮定した場合、それでも2042年には現在から約4割も従業員数が減少する予想となり、大変危機感を抱いています。会員企業の求人に対する採用人数の充足率が31・6%である現状からも建設業への若者の関心を高める取り組み、働く環境の改善が急務です。これまでの高校生に対する現場見学会やインターンシップなどを継続しながら、新たに中学生に対しても職業体験学習などを通じ建設業に興味を持ってもらう取り組みを推進していきます」

 ――2025年度の重点事業についてお聞きします。

 「近年の物価や人件費の高騰により建設事業単価が上がっており、実質的に工事発注件数が減っている現状から、2025年度は受注環境がさらに厳しくなると予想しています。そうした中で、担い手の確保・育成や働き方改革への対応を進めなければなりません。ICT技術を活用した施工の効率化や生産性向上、そして時間外労働の削減、週休二日制の導入など、山積した課題の解決に向けた事業を推進したいと考えています。

 特に喫緊の課題である担い手の確保に向けては、昨年から『知ってほしい。ふくしまの建設業のこと』と題した新たな広報事業を実施しており、『道の駅ふくしま』において約半年間にわたってビデオ放映やパネル展示をしてPR活動を強化しました。他に、『ふくしま・けんせつDAY』と称した重機試乗や仕事体験などの児童向けイベントを実施したり、工事現場を題材としたフォトコンテストを行いました。

 多くの県民の皆様に建設業の『いま』を伝えることができたと振り返っております。引き続き幅広い世代に対して、建設業の役割や魅力を発信し、担い手の確保につなげていきたいと考えています」 

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