【富岡町】山本育男町長インタビュー

【富岡町】山本育男町長インタビュー

 1958年8月生まれ。原町高、東京農業大卒。町議を連続5期務め、副議長などを歴任。2021年7月の富岡町長選で初当選を果たした。

 ――夜の森・大菅地区の特定復興再生拠点区域で、来春の避難指示解除に向けた準備が進められています。

 「避難指示解除が現実的なものとなるまで長い年月を要しましたが、再び生活できる地域として生まれ変わろうとしているのは大変喜ばしいことです。本町では、故郷での生活を希望する方々が心地よく暮らしていける環境を整え、いつでも『おかえりなさい』と言える状況を築き上げていきます」

 ――2021年、拠点区域外の地域に関しても「除染して希望するすべての住民が帰還できるよう2020年代をかけて避難指示の解除を進める」という政府方針が示されました。政府に求めることは。

 「帰還困難区域を有する自治体の『再生を決してあきらめない』という気持ちと、団結した姿勢により実現した政府方針だと考えています。ただ、我々が求めているのはあくまで〝早期〟の帰還であり、町の全域除染です。現在の方針では帰還を望む人の家だけ除染されることになりますが、隣家の空間線量が高ければ意味がない。政府には住民の意向に沿った方針を示してほしいと思います」

 ――「復興まちづくり」の見通しについて。

 「将来を切り開くための基礎はできつつありますが、医療、福祉、教育、産業、絆の維持、住宅、移住促進など、取り組まなければならないことは多いです。希望と笑顔あふれるまちにするため、町民一人ひとりの声を丁寧に聞いて、着実に取り組んでいきます。今後はソフト事業に注力していく考えです。具体的には、元々住んでいた住民と、移住してきた方々をつなぐイベントを積極的に開き、交流を促していきます」

 ――そのほか取り組んでいる重点事業は。

 「短期的には、帰還者の多くが高齢者であることから、2022年開設した『共生型サポートセンター』を円滑に運営し、福祉の充実を図っていきます。一方で、子どもたちの健全育成を目的に造られた『富岡わんぱくパーク』を生かし、子どもの体力向上や運動不足の解消及び子育て世代の交流を促進していきます

 中長期的には、人材育成・確保が重要になると考えているので、教育費用の無償化、移住者への住宅支援などに努めていきます」

 ――今後の抱負。

 「本町は全町避難した自治体なので、これから復興・再生していくにはかなりの労力・時間を要するものと考えています。それでも、将来を見据えた町政運営を進めていくのが我々の使命です。全国に避難している町民が少しでも早く故郷で生活したいと思える環境を整備していきます」

富岡町ホームページ

政経東北【2022年12月号】

関連記事

  1. 【ひまわり信用金庫】上條博英理事長インタビュー

    【ひまわり信用金庫】上條博英理事長インタビュー

  2. 【飯舘村】杉岡誠村長インタビュー【2023.11】

    【飯舘村】杉岡誠村長インタビュー【2023.11】

  3. 【福島県産業資源循環協会】佐藤俊彦会長インタビュー(2024年)

    【福島県産業資源循環協会】佐藤俊彦会長インタビュー(2024年)

  4. 【福島県温泉協会】遠藤淳一会長インタビュー

    【福島県温泉協会】遠藤淳一会長インタビュー

  5. 【鏡石町】木賊正男町長

    【鏡石町】木賊正男町長インタビュー

  6. 【いわき市】内田広之市長インタビュー

    【いわき市】内田広之市長インタビュー

  7. 【常磐興産】関根一志 社長インタビュー

    【常磐興産】関根一志 社長インタビュー

  8. 【磐梯町】佐藤淳一町長インタビュー(2025年)

    【磐梯町】佐藤淳一町長インタビュー(2025年)

政経東北 最新号
月刊「政経東北」2026年7月号
人気記事
  1. 政経東北【2026年6月号】
  2. 【和久田麻由子】NHK女子アナの結婚相手は会津出身・箱根ランナー【猪俣英希】
  3. 【天栄村】犬同伴コテージ「死亡火災」の一部始終
  4. 「MEGAドン・キホーテ」出店に沸く福島市
  5. 政経東北【2026年1月号】
  6. いわき信組「反社資金提供問題」報じられないもう一つの真実
  7. 【会津若松市】構想だけ先行する若松駅周辺整備
最近の記事
  1. 【スペシャルエッセー】4人、ラスト2回です。 【スペシャルエッセー】4人、ラスト2回です。
  2. 政経東北【2026年7月号】
  3. 「産廃銀座化」を恐れる郡山市田村町の住民
  4. 【郡山市】「4年連続ごみワースト1」からの脱却
  5. イオンモール郡山シネコン進出は実現するか
PAGE TOP