福島民友8月18日付に次のような記事が載った。
《東京電力福島第1原発事故に伴う県内の除染で出た土壌の県外最終処分を巡り、日弁連が県外最終処分の見直しを含めて議論する会議体の設置を求める決議案を検討していることが17日、関係者への取材で分かった。2045年3月までの県外最終処分は法律で定められており、県弁護士会は決議案に反対する姿勢を示し、日弁連に当該部分を削除するよう求めた(後略)》
後に日弁連は決議案から当該記述を削除した。中間貯蔵施設に保管された除染土の県外最終処分は法律で定められているが道筋は付いていない。放射性物質の拡散を防ぐ原則から県外に運ぶことに反対する専門家・市民グループもある。
政府は放射能濃度が1㌔当たり8000ベクレル以下の除染土を「復興再生土」として再生利用を進めているが、本誌で再三指摘しているように条件に適う除染土の容量を減らしたところで、全体に占める割合はわずかなものだ。
「県外か県内かの対立に陥ることは政府が除染土を県内に置いたままにする口実をつくりかねない」と警鐘を鳴らすのは、廃炉制度研究者の尾松亮氏だ(「廃炉の流儀」連載)。
「法律家が提言に関わるのであれば、第一に県外かどうかで議論する前に『除染土の最終処分とは何か』の厳密な規定を求めるべきです。政府による恣意的な運用を防ぐためです」
尾松氏によると、そもそも現行法は中間貯蔵施設にある汚染物質を全部福島県外に持っていくことを約束する規定になっていないという。
中間貯蔵・環境安全事業株式会社法第二条3項には、次のようにある。
《この法律において「最終処分」とは、福島県内除去土壌等について除去土壌等処理基準(放射性物質汚染対処特措法第二十条、第二十三条第一項若しくは第二項又は第四十一条第一項の規定に基づき福島県内除去土壌等の処理に当たり従うこととされている基準をいう。次項において同じ。)に従って行われる最終的な処分をいう》
「この除去土壌等処理基準の勝手な解釈や改変に基づき『最終処分』の内容はいかようにも操作できてしまいます。仮に中間貯蔵施設跡地の原状回復を求める意思があるなら、クリアランス基準の100ベクレル/㌔㌘を超える土壌等は物理的に県外に搬出することを義務付ける規定にすることが本来の筋です」(尾松氏)
2番目に、「県外」=他県の住民居住地の図式から脱却する必要を挙げる。汚染水タンクの保管でも提案されたが、例えば人工島を造ってそこに汚染土壌等を全部搬出する案がある。
「法律家は、本気でそのコストの試算と検討を政府に求めてみてはどうでしょうか。全国各地に輸送して処分地を造るよりもずっと安く済む可能性があります。『県内の中間貯蔵施設に置きっぱなし、または他県の居住地に廃棄』という政府の問題設定に日弁連も福島県弁護士会もはまっていないか?
他県や都内で受け入れ反対運動が起きたことを口実に中間貯蔵の『期間延長』を重ね、政府が置きっぱなしにするシナリオが見えます。『県外か県内か』の議論に乗らないために、無居住で先住民もいない土地に持っていく、そのための法律を作るということが法律家が届けるメッセージになるべきです」(同)
政府に利する二項対立から脱却すべきということだ。





















に向けて掲げられたプラカード。過激な言葉が並んだ=2025年10月19日、仙台市青葉区河北新報提供-002_eyecatch-520x305.jpg)



