本誌昨年11月号に「閉鎖から1年半 ようやく廃止が決まった北塩原村ラビスパ裏磐梯 跡地利用に名乗りを上げた荒川産業」という記事を掲載した。
北塩原村の健康増進温浴施設・ラビスパ裏磐梯は2024年1月末に閉鎖されたが、その根拠となる「温泉健康増進施設条例」の廃止が議会の承認を得られない状況が続いていた。この間、2024年1月に開かれた臨時議会と同年3月定例会で二度にわたって温泉健康増進施設条例廃止案が否決されたほか、2025年6月の臨時議会、9月定例会でも関連議案を上程したが、どちらも議案を取り下げていた。9月の臨時議会で、都合5回目にしてようやく条例廃止が承認され、ラビスパ裏磐梯の廃止が正式に決定した。記事ではその経過と、廃止後に残る跡地利用の課題についてリポートした。
その中で、産廃処分業の荒川産業(喜多方市)が跡地利用に名乗りを上げていることを伝えた。同社は「同施設のプールを活用してサケの養殖をする計画」を示しており、村は議会に対して、「荒川産業」とは明かさなかったものの、「喜多方市の事業者から、養魚施設として活用したい旨の申し出があった」と情報共有していた。それが2024年7月のことで、当時の本誌取材に、荒川産業は「現時点では具体的なことは言えない」とコメントしていた。
それから1年余が経ち、2025年9月にようやく廃止が決まったわけだが、その後、あらためて荒川産業と協議した結果、計画は白紙になったという。
ある村民はこう話す。
「村は施設閉鎖後の2024年6月に跡地利用者を募集し、荒川産業が名乗りを上げた。ただ、その場合、貸与なのか、施設を譲渡するのかが明確にされていなかった。もし貸すとなると、施設内の天井が落下の危険性がある状態だったので、そんな状態で貸すわけにはいかない。ある程度の修繕は必要になるだろう、と。もし、事故があったら村の責任が問われるからね。でも、どうせ修繕するんだったら、村民のための施設(温浴施設)として存続させればいい。そうでなければ、無償譲渡でも、1円での売却でもいいから、使いたいところ(荒川産業)に所有権を移して、あとはそちらの責任でやってくださいという状況にすべき、というのが、この間、議会が求めていたことだった。一方で、荒川産業は無償貸与を希望しており、譲渡を受け、自身で修繕して、固定資産税を負担してまでは計画を実行できないと考えたようで撤回を申し出た」
これにより、跡地利用は完全に白紙になった。今後は別の事業者を探すことになるが、前出の村民は「(老朽化が著しい)施設のあの状況で、自前で修繕して、固定資産税を負担してまで、跡地を使いたいというところはいないと思う」と話した。
なお、同施設はオープンから30年近くが経ち、建物や内部設備の老朽化が課題となっていた。施設改修費用は10億円規模になると予想されていた。
もし、使いたいというところが現れなければ解体されることになる。当然、その場合は解体費用がかかり、解体後はどうするかといった問題も出てくる。
前出の村民によると、「ラビスパ裏磐梯は周辺散策路(トレッキングコース)の中継地点になっている」とのことで、その辺も含めて村はどうするつもりなのか。判断・対応が注目される。

























