よしだ・えいこう 1963年12月生まれ。双葉高卒。県議を5期務め、自民党県連幹事長、県議会議長などを歴任。2022年7月の浪江町長選で初当選。
――農業振興の現状についてお聞かせください。昨年5月には加倉地区の整備が完了しましたが、現在の状況はいかがでしょうか。
「震災から15年が経過する中、農地の再興は大きな希望です。除染によって失われた地力を回復させ、将来の農業経営への不安を払拭しなければなりません。加倉地区では、圃場整備を行う45㌶の農地のうち29㌶の整備が完了し、昨年初めて作付けをしました。地域の組合の方々が永続的な再開に向けて先導的な役割を果たしています。現在は8カ所で圃場整備が進んでいますが、計画から完成まで10年以上を要する息の長い事業です。今後を見据え、大規模化と集積化を可能にする優良な農地環境を次世代に引き継ぐべく、事業への支援や投資を国や県へ継続的に訴えかけていきます」
――町内を行き来する乗合ミニバス「なみえスマートモビリティ」の利用者の反応はいかがですか。
「実証実験から実用化に至り、現在は1日約50人の利用があります。9割が町を訪れる方々であり、公共交通の要として定着しつつあります。特にタクシーが少ない現状では、夜間の外食後に利用ができて好評です。今年は4月25日に福島県復興祈念公園の全面開園を控え来訪者が見込まれる中、スムーズな交通体系の構築につながると期待しています」
――今年1月には「浪江町景観条例」が施行されました。
「震災後、多くの建物が解体され、駅周辺の景色は一変しました。先人が築いた歴史や誇りを継承しつつ、新たな町をつくる上で景観の調和と統一は欠かせません。例えば、空き地に突如としてソーラーパネルが並ぶような事態は、町並みの調和を乱します。建物の色合いや電飾も含め、官民で話し合いながら浪江らしい景観を創造していくための指針として、この条例を制定しました」
――重点事業と抱負をお聞かせください。
「町の第3次復興計画に基づき、医療や介護、福祉の充実を最優先に進めます。避難先で生活基盤を固めた方々に無理な帰還を強いるのではなく、水が湧くように自然と人が戻って集まる環境を整えることが重要です。また、隣接する双葉町や大熊町との広域的な連携も不可欠です。私の復興の原点は『鎮魂』にあります。震災や避難途中で亡くなり、二度と会えなくなった方々への思いを持ち続けることこそが、行政を担う私の原動力です。原発事故という未曽有の経験を経て、『正しく学び、正しく怖がり、正しく逃げる』といった知恵を共有し、住民の命を守り抜く決意を新たにしています」

























