本誌7月号で石材加工業・丸正(喜多方市)の社長・佐藤正道氏が廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで喜多方署に逮捕された件を報じた。
逮捕容疑は2022年5月から9月にかけて、自社近くの採石場跡地のくぼ地に、〝墓じまい〟に伴い引き取った墓石計454㌔を投棄・埋設したというもの。不要になった墓石は産業廃棄物の「がれき類」に当たるため、中間処理施設で粉砕・選別後、再生砕石としてリサイクルされるのが一般的だが、同社はそれをせずに、自社敷地に埋めていたという。
記事では人口減少や〝墓じまい〟の加速、安価な中国産墓石の流入による競争激化が背景にあると報じた。
そうした中、「不法投棄はここ数年で始まったものではない」と告発するのが、同社の元社員だ。
「採石場跡地内には、一辺約50㍍、深さ10㍍超のくぼ地が複数あります。数十年前から、そのくぼ地に墓石を埋めるようになり、私が勤めていたころには常態化していました。墓の建て替えで不要になった墓石を引き取り、くぼ地まで運んでいました。石材加工時に発生するガラスくずなども併せて廃棄していました。営業マンは1人数十㌧単位で墓石を引き取り、同跡地に運び込んでいました」(元社員)
近年の〝墓じまい〟の影響で業績が落ち込み、不法投棄に手を染めたわけではなく、昔から会社ぐるみでやっていた、と証言しているわけ。
この元社員とは業界取材を続ける中でたまたま知り合い、具体的な話を聞くことができた。ただ、特定を避けるために詳細は伏せる。
「数年前にも県の立ち入り調査が入ったが、社員全員で否定しました。昨年には一人の社員が『不法投棄をやめてほしい』と佐藤正道社長に忠告したが、その後も墓石の埋設を続けたそうです。結局、忠告した社員は同社を去り、その後、告発を受けた県や警察の現地調査が始まり、不法投棄が明るみに出ました」(同)
元社員によると〝墓じまい〟や墓の建て替えなどで墓石を撤去・処分する際は1基当たり数十万円の費用がかかり、同社では顧客から3、4万円程度の手数料を受け取っていた。にもかかわらず、産廃業者に回さず、自社敷地内に埋設していたわけで、1案件につき20~30万円の処分費用を浮かせていたとみられる。
今後、同社は県から、不法投棄した墓石の撤去と産廃としての適正処分、土地の原状回復を求められるとみられる。本誌7月号記事では石材業界関係者の「数㌧分埋まっているとしたら費用は2~3億円規模になる」という発言を紹介した。だが、元社員は「複数の巨大なくぼ地が埋まるほど墓石を投棄し続けている。廃棄物処理法違反の公訴時効は5年。仮に5年間の不法投棄分に限定したとしても、費用は10億円規模になるのではないか」と推測する。
近年、中国産墓石の価格は2割程度値上がりし、石材加工業者は厳しい経営を強いられているという。同社の業績も赤字基調だが、果たして墓石の撤去や適正処分、土地の原状回復に対応できるのだろうか。
佐藤正道氏は処分保留により6月17日付で釈放された。一方、7月4日付の地元紙は、同社(法人)と、不法投棄に関与したとみられる従業員が6月16日付で地検会津若松支部に書類送検されたと報じていた。県からはすでに半年間の入札参加資格制限措置を受けている。
あらためて丸正に取材を申し込んだが「(佐藤正道)社長はいま外出中です。現時点で何もお話しすることはございません」との回答だった。
元社員の長年にわたり不法投棄が繰り返されていたとの証言が事実なら、原状復旧や顧客への説明など、同社がやるべきことは多い。

























