【福島県商工会連合会】渡邊武会長インタビュー(2025.2)

【福島県商工会連合会】渡邊武会長インタビュー(2025.2)

経歴

わたなべ たけし 1958年生まれ。東北工業大学卒。(株)渡辺工務店代表取締役。2009年5月に伊達市商工会会長就任。県商工会連合会副会長を経て、昨年5月から現職。

組織を強化し新たな方向性を打ち出す

――昨年10月から最低賃金の引き上げが実施されていますが、会員事業所の動向はいかがでしょうか。

 「どのくらいの事業所がどれだけアップしたかという正確なデータは把握出来ていませんが、流れとしては、賃上げに向かっていることは確かだと思います。しかし、企業業績に連動して賃上げを実施しているよりは、賃上げをしないと、従業員の定着、人材確保が出来ない等、防衛的な理由が強いように感じます。

 会としては、賃上げの利益確保のため、業務フローの見直しとデジタル化推進による生産性の向上支援、また、省力化に繋がる生産設備の導入支援など、事業環境の変化に対応した経営支援を、より一層強化していく考えです」

新たな商工会に向けて

 ――物価や燃料費の高騰が続いている中で、価格転嫁が課題の一つとなっていますが、各事業所の状況はいかがでしょうか。

 「事業者の中には、これまでのデフレ環境により、値上げに対する抵抗感があるのも感じられますが、原材料や燃料価格、物流費、人件費と、ほとんどのコストが上がっている状況で、適正な取引による価格転嫁の対応が遅れると、利益や資産が縮小に追い込まれますので、価格転嫁対策は喫緊の課題です。

 会としては、適正な取引価格の原価管理体制の経営支援、事業の強みと工夫を生かしての販路開拓・販路拡大、新サービスの推進に、伴走型支援で努めていく考えです。併せてパートナーシップ構築宣言の推進を図ります。

 また、コロナ禍での『ゼロゼロ融資』で債務を増やした事業者は、最も厳しい状況にあると思います。そのことをしっかりと捉え、現場の声を国や県へ要望してまいります」

 ――2025年度の重点事業と活動方針について伺います。

 「私が3年の任期をいただき、この間に新たな商工会に向かっていける環境をつくっていかなければならないと思っています。そうした中で、一つは組織基盤の強化・改革をしていかなければならないと思います。商工会の主な業務は、会員に対する伴走型経営支援であります。これまでと変わらず基軸として進めてまいります。

 その上での重点事業ですが、地域経済に大きく関わりながらの地域活性化・地域振興に取り組んでいく方向性を打ち出していきたいと考えています。

 地域の経済環境が整っていれば、事業経営は安定に向かい、発展へと繋がりますが、整っていなければ地域経済は徐々に疲弊してしまい、さらには顧客不在の状況になってしまいかねないと思います。事業者の支援とともに、地域をしっかりと守る取り組みが必要です。そのためには人口流出や労働力の減少に歯止めをかけることが重要であり、地域に人材が残る、あるいは進学などで県外に出た人材が戻って来るような環境を整備することが地域活性化・地域振興の一番の基本になると考えています。

 我々地域総合経済団体として、地域に根差した地場産業の振興に努め、また、新たな産業を創出する取り組みを進めるよう、行政とも一体となって地域活性化・地域振興に参画していきたい所存です」

 ――今後の抱負について。

 「重点事業とも重複しますが、1期3年の任期の間に組織基盤の強化・改革を推進し、新たな方向性を打ち出すことが、私の会長としての役目であると思っています。就任からこれまで県内全商工会を訪問させていただき、地区の現状を伺いました。その結果を踏まえて、より良い組織の在り方を協議・検討してまいります。

 また、地域の魅力を伝える一環で、中学生に対する職業教育にも注力していきたいと考えております。その地域でどのような仕事があるのかを理解してもらった上で、人口流出や担い手不足の解消に繋げていきたいと思っています。

 我々地域総合経済団体が一丸となって、地域を考えるような風向きにしていきたいと考えています」

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