フジテレビ問題に戦々恐々する【福島テレビ】

 元タレント中居正広氏と女性のトラブルにフジテレビ社員が関与した疑惑を「週刊文春」が報じてから、同社のトラブル対応が不十分だったり事案を説明する会見が閉鎖的だったりしたことに批判が寄せられ、同社と持ち株会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)は1月27日に大規模な記者会見を開いた。191媒体、437人が参加し、延べ約100人が質問した会見は10時間以上に及んだ。本誌も上京し、キー局を大々的に批判できない系列局に代わり質問を投げかけた。

 フジテレビは1月17日の1回目の会見で参加報道機関を特定の大手メディアに限定し、動画撮影・録音を禁じたことが世論の批判を招き、スポンサーの広告引き上げが加速。2回目となる今回の会見は、信頼回復を企図し、フリーライターも含め媒体の選別を行わなかったため、弱小地方月刊誌の本誌も紛れ込むことができた。

 県内では、福島テレビがフジテレビ系列のテレビ局だ。同社は国から県に割り当てられたテレビ放送1局分の枠の調整が付かず、県議会があっせんして1962(昭和37)年に開局された経緯から、県が同社の株式の50%を保有し、非常勤取締役に県議が就く慣例が続いている。メディアは権力監視の機能を持つにもかかわらず、県・県議会と資本的・人事的に独立性を保てないことが問題視されてきた。

(左から)フジテレビの遠藤龍之介副会長と港浩一社長(港社長は1月27日付で辞任)
(左から)フジテレビの遠藤龍之介副会長と港浩一社長(港社長は1月27日付で辞任)

 福島テレビが構造上の問題を抱えることは別として、現場スタッフは報道番組や地元密着のバラエティ番組を作り、地域を盛り上げる事業に邁進している。そんな同社でも、フジテレビによる中居氏と女性のトラブル対応と、それに伴う閉鎖的記者会見が巻き起こした広告引き上げの動きは甘受していないはずだ。強い立場にあるキー局には物が言えないのではないかと想像し、本誌は会見で次のように質問した。

 ――フジテレビ系列のテレビ局は全国、地方にあり、今回CM引き上げの影響を受けている。フジテレビの(閉鎖的な)前回の記者会見の対応以降、CMの引き上げが盛んに起こっていると思うが、地方の系列局からフジテレビの対応について「おかしいのでは」「どうなんだ」という声は上がっているのか。

 遠藤龍之介フジテレビ副会長「系列局からも、今回の事案の影響でCMの差し替え、広告主が提供表示をしないなどの通常とは違う処置が起き始めている。大変申し訳ないことだと思う」

 ――反応を聞きたい。地方の系列局からどのような声が上がっているのか。

 遠藤副会長「一日でも早くキー局のフジテレビが信頼を回復してほしいという要望が上がっている」

 ――とはいえ、キー局は番組を作って地方の系列局で流す。フジテレビ本社の人物が(系列局の)社長に就くなど優越的な地位にある面もある。そのような関係性から、地方の系列局からなかなか声が上がらないということはあるか。

 遠藤副会長「通常でも私どもキー局と系列局は非常に頻繁にコミュニケーションをしているが、今回のことを受けて、さらにそういうことを求める声が大きくなっている。会社として系列局とキー局の立場はあるが、対等の立場で話をしていこうと思っている」

 会見では、大物タレントが女性に及ぼした背景に優越的地位の濫用があったのではと言及があった。本誌は他メディアから軽んじられるのが常だが、だからこそ得られる心構えがある。そのポジションを大事にし、下に置かれる者の側に立ちたい。

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