すだ・ひろゆき 1958年生まれ。宇都宮大農学部卒。福島県庁に入庁後、県北農林事務所長などを歴任。2018年1月の伊達市長選で初当選、今年1月に無投票で3選を果たす。
イオンで市全体を活性化
――1月18日に告示された市長選で無投票で3選を果たされました。2期8年の総括と3期目の抱負をお聞かせください。
「これまでの2期8年は、まさに『危機の克服』と『未来への基盤づくり』を並行して進めてきた期間でした。令和元年東日本台風や令和3年、4年に発生した福島県沖地震などの自然災害、そして新型コロナウイルス感染症の拡大と市民生活を揺るがす事態が続きました。これらに対し、市民の皆様の多大なるご理解・ご協力をいただきながら着実に復興と再生を進めることができたのは、大きな一歩であったと確信しています。
一方で、本市の未来に希望の光を灯す事業も進展しました。高子駅北地区の住宅団地整備や保原新工業団地の造成、イオンモール伊達の開業に向けた準備など若者が定着するための基盤づくりに注力して参りました。その結果、本市の年少人口の転入超過数は県内でもトップクラスとなり、『子育て世代に選ばれるまち』としての歩みを加速させることができました。
3期目はこれまでの成果を土台としながら、私の政治信条である『現場主義』を貫きます。人口減少や少子高齢化という深刻な課題に対し、市民の皆様の声に耳を傾けながら『便利で、人に優しく、豊かさが感じられるまち』を創造していく決意です」
――3期目の公約について具体的にお聞かせください。
「まず『便利なまち』づくりとしては、公共交通の有機的連携を推進します。阿武隈急行やJR、路線バス、デマンド交通を機能的に結びつけ、利便性の高い交通システムを構築します。特にイオンモール伊達の開業に合わせ、既存路線の乗り入れや新路線『鉄道アクセス線』を運行します。同アクセス線はイオンモール伊達とJR伊達駅、阿武隈急行の高子駅、保原駅を結ぶ路線です。また、利用者から改善要望の多いデマンドタクシーについては優先課題として見直しに取り組みます。併せて国道、県道の整備促進や、市道の計画的な維持管理を徹底し、安全性を高める考えです。
次に『人に優しいまち』づくりとしては、健康・子育て・教育の充実を図ります。これまで取り組んできた『元気づくり会』の拠点を拡充し、健康寿命の延伸を推進します。子育て支援では、妊娠期からの伴走型支援『ネウボラ事業』をさらに強化し、男女が共に育児に参画できる環境を整えます。教育面では、子どもたちが和式トイレに慣れていない現状を鑑み、小中学校のトイレの洋式化を重点的に進めます。また、熱中症対策として、小学生の水泳授業に屋内の市民プールを活用し、安全への配慮に努めて参ります。
次に『豊かなまち』づくりとしては、本市の基幹産業である農業の強化に努めます。モモやきゅうり、あんぽ柿といった特産品の生産拡大とブランド力強化を図ります。また、私自ら先頭に立つトップセールスにより市場での高値販売を実現し、農家の収益性向上と販路拡大を目指します。農業の未来を見据えた『データ駆動型スマート農業』も推進します。経験や勘に頼るだけでなく、環境計測データを活用した再現性の高い生産体系を確立し、自動運転機械の導入支援などを通じて省力化を進めます。具体的には、スマート農業にかかわる環境測定装置や自動草刈り機などの機械購入補助を実施し、農業経験が浅くても安心して参入できる環境を整備します。商工業においては、地元優良企業の魅力を若者にしっかり発信するとともに、AIや半導体関連といった最先端企業の誘致を推進します。地元に希望を持って就業できる機会を創出することが若者の流出を食い止め、地域経済を活性化させるキーポイントになると考えています。
この3つのまちづくりを実現するために、多様な知見やノウハウを有する民間事業者や地域団体などと連携し、効率的な行政運営を図るとともに、伊達市の有するポテンシャルを最大限に活用し、『市民が希望を持てる未来』の創造に挑戦して参ります」
――伊達市は1月1日に合併20周年を迎えました。主な記念事業についてうかがいます。
「今年1月1日に迎えた合併20周年という節目は、市民の融和と一体感を深め、本市の魅力を内外に発信する絶好の機会です。新年度の早い時期に『合併20周年記念式典』を執り行う予定です。同式典では、新たに創設した『伊達市名誉市民表彰制度』に基づき、郷土の誇りとして市民から尊敬される方を顕彰したいと考えています。
また、9月25日から27日にかけては全日本ラリー選手権『MSCCラリー in 福島伊達2026』を開催します。市内の林道等を舞台に約70台の車両がタイムを競うこの大会は、合併20周年の目玉事業の一つです。その他、市内で開催される大会やイベントに『合併20周年記念』の冠名を付与する支援事業を通じて、市全体で節目を祝う機運を醸成して参ります」 ――「イオンモール伊達」が2026年下期の開業に向けて鋭意工事が進められています。地域振興における今後の取り組みについてうかがいます。
「現在、本年下期のグランドオープンに向けて準備を加速させています。この商業施設を市内全体の活性化につなげるため、モール内に市独自のアンテナショップを設置します。ここでは特産品販売や観光情報の発信に加え、コンシェルジュを配置して周辺自治体の温泉地や観光地を紹介するなど、地域周遊の拠点としての役割を担っていきます。また、試食・試飲ができる『お試し飲食』を運営し、来店者が市内の各店舗へ足を運ぶきっかけを作ります。
さらに、アンテナショップ内には『ふるさと納税自動販売機』も設置します。運転免許証による本人確認とクレジットカード決済により、その場で簡単に寄付ができ、返礼品として市内で使える買い物券等を即時に受け取れる仕組みになっています。これにより、周辺地域への回遊と消費拡大という好循環を創出する考えです」
――その他の事業についてうかがいます。
「高齢者などの生活弱者が安心して買い物ができる環境づくりも重要です。今年度に立ち上げたDISC(伊達イノベーションサポートセンター)を通じた起業支援により、街なかで買い物ができる仕組みを構築します。
また、4月から始まるふくしまデスティネーションキャンペーンに合わせ、霊山トレッキングや市内の桜の名所を巡るスタンプラリーなど伊達市の魅力を発信する事業を展開して参ります」

























