本誌7月号で、会津若松市中心市街地で進む高層マンション建設計画について報じた。
建設予定地は野口英世青春通り沿いで、ボーリング場やカラオケ店などが入居していた「会津ロイヤルプラザ」の跡地。敷地面積3453平方㍍。タカラレーベン(東京都、秋澤昭一社長)が鉄筋コンクリート造地上11階建て79戸のマンション「レーベン会津若松中町(仮称)」を建設する計画だ。施工者は金田建設・秋山ユアビス建設JV。完成予定は2028年7月末。
ただし、跡地周辺は国登録有形文化財・福西本店をはじめ歴史的建造物が点在し、修学旅行生や観光客も多く訪れるエリアだ。そのため、地元住民らはこの間、市に請願書を出すなどして、歴史的景観と調和した外観・階数にするよう要望してきた。
同社は市景観計画の基準に適合するように、通りから建物を約30㍍後退させて配置。さらに住民の反応を受けて当初計画から階数を下げ、駐車場のカーポート設置を取りやめて、通り沿いに公共スペースを設ける方針を示している。
7月号記事では同社広報担当者が「計画変更への対応で着工は当初予定の4月1日から遅れているが、7月1日となる見込み」と回答を寄せていたが、その後、近隣住民に同6日から着工する旨を伝達し、同3日に住民説明会を開催していた。
説明会には同社や施工会社などの担当者が出席し、工事概要や安全対策などについてあらためて説明した。しかし、住民からは「着工直前に説明会を開催したところで、住民の声が反映されるとは思えない。説明会を実施したという実績作りではないか」、「工事による振動対策、景観悪化への影響が心配だ」、「工事期間中は近隣の保育園や観光客への配慮がきちんとなされるのか」など、なおも事業者側への不信感を表明する意見が相次いだ。
当日は完成予想パースなども公表されなかったため、「なぜどんなマンションになるか示せないのか」との意見が多く飛び交った。野口英世青春通り町並み協定会の佐原功一会長は「再び住民説明会を開催してほしい」と要望したが、担当者はその場での明確な回答を避けた。
説明会での住民の反応について、あらためて同社に見解を求めたところ、同社の親会社に当たるMIRARTHホールディングス広報担当者から次のような回答が寄せられた。
「パースは不特定多数への広範囲な公開は予定していませんが、ご要望に応じて個別に対面等で開示・ご説明させていただく形での対応を進めております。新たな住民説明会の開催は予定していませんが、近隣の皆様から多くのご要望やご意見をいただくようであれば、開催の是非も含め、前向きに検討していきます」
同社が説明会開催に含みを持たせる姿勢に変化したことがうかがえる。
説明会後も近隣住民の不満はくすぶっている。建設予定地に隣接する田中稲荷神社の関係者はこう嘆く。
「11階建てのマンションができれば境内はもちろん、目の前の道路まで長時間日陰になる。そうなると冬季の路面凍結が心配で、交通量が多い坂道なので、事故や渋滞などの影響が出るかもしれません。そのあたりの責任や対策をタカラレーベンはどう捉えているのか」
ほかの近隣住民からは「近くに食品スーパーがなく、駅まで歩くのも遠いが、入居者は集まるのか。地元の反対を押し切り建てたマンションが〝ガラガラ〟ではシャレにならない」と冷ややかな意見も聞かれた。
工事は始まったものの、地域との合意形成は道半ばの状況であり、今後も対話が不可欠といえる。
※建設予定地では工事が始まっていた(7月14日撮影)

























