1月中旬、本誌ウェブサイトの投稿ホームページに南相馬市関連の情報が寄せられた。
内容は、昨年10月に実施された国勢調査後、南相馬市が独自に再調査を行っていたのではないかという疑惑だ。差出人によると、国勢調査の結果、人口が推定より1000人以上少なく算出され、交付金が大幅に減少する可能性があるため、「統計調査員が空き家と判断した住宅について、上下水道の使用量や外国人台帳など個人データを利用し、居住実態を再確認している」という。
昨年12月7日から事前調査が行われ、年明けから現地調査に着手。係長職以上の管理職が動員され、常木孝浩副市長を筆頭に、総務課、秘書課、デジタル推進課で対応しているとも記されていた。
「市としては再調査の結果をもとに国勢調査の修正を行う考えだが、再調査は正式なものではない」との指摘もあった。要するに、交付金減少を回避するため、市が認められていない再調査を独自に実施しているのではないか、という疑惑が浮上した格好だ。
この情報の真偽を確認するため、国勢調査の担当部署であるデジタル推進課に問い合わせたところ、調査を行っているのは事実だと認めたうえで、次のように説明した。
「国勢調査の集計後、『アパートなどの集合住宅で空き家・空き室が多すぎるのではないか』という話になり、試しに何軒か訪問したところ、実際に人が居住している部屋があったのです。調査に応じなかった理由を聞くと『誰か訪ねてきたのは分かっていたが、物騒な世の中なので用心してドアを開けず、居留守を使った』とのことでした。そうした事情もあり、正確な人口を把握するため、あらためて調査を行っています」(清信一芳課長)
市は県に事情を報告したうえで、年明けから2、3週間調査を実施した。国勢調査は国が任命した調査員が調査票を配布する形で行われるが、実際には締め切り後に提出された調査票も受け入れ結果に反映している。こうした運用を踏まえ、今回の〝フォロー調査〟で新たに提出された調査票に関しても追加で国勢調査にカウントすることが認められたという。
本誌に送られてきた情報には「再調査は正式なものではない」と記されていたが、実際には県と相談したうえで実施された調査だったわけ。
なお「調査に動員されているのは係長職以上部長までで、常木副市長を筆頭に、限られた部署が対応している」という点は事実だ。市長選期間中で職員の多くが投開票作業に従事することや、対象者への丁寧な説明が必要であることから、管理職に限定したという。一方で、時期については「12月中は本来の国勢調査業務が続いている時期で、『事前調査をやっていた』という表現は正確ではありません」(清信課長)としている。
2023年度の住宅・土地統計調査によると、南相馬市の空き家数は6730戸。このうち賃貸用の共同住宅が3640戸。賃貸、売却、二次的住宅(別荘・セカンドハウス)のいずれにも当てはまらない空き家は2190戸に上る。
震災・原発事故、さらに復興需要に伴う作業員の流入と撤退によって、同市では人の流れが大きく変化してきた。調査員が「ここも空き家だろう」と判断してしまうほど空き家・空き室が多かった可能性もある。空き家問題は地方共通の課題であり、今後は国勢調査における〝フォロー調査〟の在り方が各地で問われることになるかもしれない。

























