先達山メガソーラー事業者が市民団体代表に〝圧力〟

先達山メガソーラー事業者が市民団体代表に〝圧力〟

 福島市西部の先達山で進むメガソーラー工事の問題点を追及する市民団体「先達山を注視する会」(松谷基和代表。以下、先注会と略)の第4回報告会は7月1日、福島市で開かれたが、この日は過去3回とは様子が違っていた。これまで司会進行を務めてきた松谷代表がなぜか一般参加者の席に座り、副代表の梅宮毅氏と松浦陽一氏が進行役を務めたのである。

 背景には、開発事業者の再エネ投資・運営会社Amp Energy(以下Amp社と略)が「松谷氏が主催する報告会には参加の必要がない」と今後の報告会への参加を拒否してきたことがある。

 Amp社が先注会に宛てたメールによると「先注会のホームページや松谷氏の発言は事実に反する個所や名誉毀損に該当する個所がある」「松谷氏は弊社事務所に立ち入るなど刑法に違反している」として「今後も福島市民との対話は望むが松谷氏とのやりとりは時間の無駄」と切り捨てている。さらには「松谷氏への法的措置を検討中」(Amp社が6月5日に送信したメール)とも警告している。

 組織が個人に法的措置をチラつかせるのは“圧力”と言われても仕方がないし、もし本当に提訴したら「スラップ訴訟」の批判を免れない。ちなみに7月1日の報告会で、Amp社の長谷部剛法務部長(弁護士)は「松谷氏を訴えるかどうかは引き続き検討している」と態度を明確にしなかった。

 本誌も経験したことがあるが、本気で訴えるつもりなら相手に予告せずに訴えるし、訴えられた側は裁判所からの通知で初めて訴えられたことに気付く。Amp社のように「訴えるぞ!」と言っているうちは脅し文句と捉えていい。

 Amp社をめぐっては、これまでの報告会で気に障ることがある。「われわれは法律には違反していない」という発言だ。今回の報告会でも何度か耳にした。

 事業者が行政から許可を得るに当たり、法律を順守するのは当たり前だ。しかし、法律を順守すれば何をやってもいいということにはならない。今回で言えば、法律では求められていない市民の合意を得ることを怠ったから、施工中にもかかわらず報告会に出席して市民の意見を聞く羽目になっている。揚げ句、先注会からの指摘でパネルの反射や緑化をめぐる問題が露見したのだから「法律には違反していない」などと声高に主張すべきではない。

 一方で、同じことは市民の側にも言える。報告会でこんな場面に出くわした。一人の女性が最前列の真ん中の席でスマホを構え、Amp社の担当者を動画撮影していた。それを見た担当者が「撮るのはやめていただけないか」と声を荒げると、女性は「法律に違反していないから問題ない」と言い、司会者も「報告会は全てオープンで、録画も許可している」と問題視しなかった。

 先注会や市民はAmp社が再三口にする「法律に違反していない」という発言に憤っていたはず。にもかかわらず同じ言葉を使ってしまったら、今後は「法律に違反しなければ何をやってもいいのか」とAmp社を批判しても、言葉に説得力を持たなくなるのではないか。

 市民や先注会には、毎回100人近くが出席する報告会に2、3人で訪れ、厳しい批判にさらされているAmp社の担当者にまずは一定の敬意を表し、その上で正論や事実関係をぶつけて事業の軌道修正を図らせることを目指してほしい。

※Amp社は7月1日の対話会以降、先注会のメールに一切返信しなくなり、同22日には「今後はAC7社が住民対応に当たる」と連絡してきた。AC7社は特別目的会社で実態がない。「今後も住民と対話する」としていたAmp社の姿勢が問われる。

副代表を司会に進められた第4回報告会(左が先注会、右がAmp社担当者)

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