本誌は昨年10月号以降、鏡石町議2人が町内の盆通り大会に寄付をしていた問題を取り上げてきた。
寄付問題が明らかになったきっかけは、ある町民から「町内で開催された盆踊り大会に議員が寄付をしていた」と情報が寄せられたこと。情報を裏付けるため、主催者が関係者に謝意を伝えた文書を入手して確認したところ、寄付者一覧に稲田和朝町議、畑幸一町議の名前があった。
公職選挙法199条の2では「公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む)は、当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域)内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄付をしてはならない」と定めている。
この規定に照らすと、議員が町内の盆踊り大会に寄付をすることは公選法違反に当たる可能性がある。これを同町の吉田孝司町議が問題視し、町議会の一般質問で取り上げたほか、須賀川警察署に告発状を提出し、2月にはいわゆる書類送検の手続きが行われたことが分かっている(本誌3月号記事参照)。今後は検察庁(検察官)が送られてきた証拠を基に、起訴するかどうかを最終判断することになるが、そうした中で、鏡石町に隣接する矢吹町でも議員による寄付行為をうかがわせる行為があったという情報提供があった。
3月5日付消印の投書の中には、夏祭りや秋祭りで寄付者として掲示された議員名・金額の張り紙の写真が何枚も入っていた。添え書きには匿名で「鏡石町議の寄付行為が公職選挙法違反に当たるという報道の影響で、昨年は議員による寄付者名の掲示は行われなかった。だが、矢吹町議による寄付行為は間違いなく行われている」と記されていた。


写真に掲載されていたのは6町議の名前。2年前の写真もあったので、本誌が鏡石町議会の問題を取り上げる以前から、問題意識を持ってウオッチングしていたのだろう。
3月定例会で新議長に選任された冨永創造町議も、2024年8月、矢吹町二区自治会の夏祭りに5000円の寄付をして掲示された時の写真が同封されていた。6町議を代表してコメントを求めたところ、次のような回答を寄せた。
「お祭りに足を運び、食事などをするとき、会費を払うように言われたので払ったもので、寄付という認識はありませんでした。会費を払うか払わないかは議員それぞれで判断が分かれると思うが、慣習的なものでしょう。昨年は払ったか覚えていません。祭りは地域の文化やコミュニティーを残していくうえで必要なもの。今後は(会費の支払いを巡り)当事者同士がどういう話をしていくかが求められると思います」
あくまで飲食の実費分を負担する「会費」を払ったものであり、寄付ではないという認識だったと主張しているわけ。仮にそうだとすれば、実際に5000円分に相当する飲食をしたのかが問題になるが、それについては「個々の事例で判断するしかなく、具体的には警察などの判断に委ねられる」(県選挙管理委員会担当者)とのこと。
冨永町議はどこか当事者意識の薄さがうかがえる回答だったが、本誌に寄せられた情報は町選挙管理委員会をはじめ町内各所に送られているようで、警察署への告発を検討している町民もいるようだ。鏡石町での問題提起を契機に隣接自治体にも同様の疑念が広がった形だ。寄付か会費かの線引きは曖昧であり、買収に当たるような悪質な行為とも思えないが、公職選挙法の趣旨を踏まえれば慎重な対応が求められる。矢吹町議会がこの投書をどのように受け止め対応していくか注目される。

























