4月から休院中の三春町立病院をめぐり、三春町は指定管理者だった郡山市の星総合病院に対し、損害賠償を求めて提訴する方針を打ち出している。
星総合病院は昨年9月、人口減少による利用者減、医療資機材や光熱費の高騰などを理由に指定取り消しを町に申し出た。指定管理は10年ごとの更新で、次回は来年3月末の予定だった。町は期間途中で〝撤退〟されたことで、損害が生じたとして、指定管理者負担金2773万円など53項目を積み上げた、2億6000万円の損害賠償を求める。
町は「これまで各種免除や条件緩和など継続支援を行ってきた。相手方からの通知は急で、『自己都合で指定取り消しを求める場合は、1年以上の猶予をって町と協議する』という規定に違反していた。町側が条件調整・追加支援での協議継続を想定していた矢先だった」(総務課担当者)と主張する。
一方の星総合病院は「訴状を受け取っていないので内容は分からないが、すでに指定管理業務は終了しており、三春町に対して損害賠償すべき理由があるとは考えていない。実際に提訴されることがあれば、適切に対応していく」(広報担当者)と述べている。
町立三春病院は、廃止が決定した県立病院を町に移譲する形で開院した。星総合病院は町と基本協定を結び2007年4月から指定管理者として経営していた。町にとって唯一の入院機能を持つ医療機関であり、身近な場所で精密検査などができる点は町民にとって大きな利点だった。
一方で、物価高や光熱費の高騰、人材確保のための人件費増や医師不足で全国の病院の約7割が赤字経営に陥っており、公立病院に関しては約8~9割が赤字と言われている。同病院の運営状況も厳しいとみられるだけに県内の医療関係者からは「やむなく撤退を申し出た病院に損害賠償訴訟を起こすのか」と町の対応を疑問視する声も聞かれる。
町の担当者は「まだ後継法人の公募には至っていないが、問い合わせ対応や情報交換は継続して行っている」という。いずれにしても、休院状態はもうしばらく続きそうだ。三春町民はこれまでは無料の町立バスで通院できたが、診察や検査で郡山市や田村市の病院まで足を延ばすことになり、負担を強いられる格好だ。
病院や自治体を取り巻く厳しい現状を象徴する事件であり、今後、裁判の中で双方がどのような主張をするのか、追い続けていきたい。

























