会津美里町議選「金銭問題議員」が出馬見送り

 任期満了に伴う会津美里町議選は10月14日に告示され、定数13に現職11人、新人2人の計13人が立候補し無投票で当選した。町選管によると、無投票は2005年に同町が合併・発足してから初めてだった。

無投票当選者名

福島 雅典 55 無新①
根本 謙一 77 無現⑥
星   次 74 無現④
村松  尚 50 無現③
鈴木 繁明 77 無現⑤
櫻井 幹夫 58 無現②
渋井 清隆 74 無現④
大竹  惣 43 無現②
横山知世志 72 無現⑥
阿部雄一郎 47 無新①
長嶺 一也 65 無現②
小島 裕子 66 公現③
荒川 佳一 65 無現②

※記載は届け出順。
※丸数字は期数。


 「結果は無投票だったが、今回の町議選はいくつか注目点があった」

 と話すのは町内の選挙通だ。

 注目点の一つ目は、定数が前回までの16から13に減ったことだ。昨年実施した町民アンケートで、定数16は「多い」との回答が8割近くに上り、「一般質問も少ないので減らしていい」などの厳しい意見も寄せられたため、一気に3減を実現した。

 そして注目点の二つ目は、減らした定数に何人の立候補者が現れるかだった。

 「当初は当選した13人のほかに1人が出馬し、選挙戦になるとみられていた」(同)

 その「1人」とは現職の堤信也氏(67)=4期=だ。国士舘大学工学部中退。副議長などを歴任。町内で中華料理店「神龍」を経営する。

 本誌は今年5月号「機能不全に陥る自民党会津高田支部」という記事で堤氏を取り上げている。記事では同支部に90万円超の使途不明金があることを報じたが、堤氏は長年、会計責任者を務めていた。

 この時の取材で本誌が堤氏に使途不明金の詳細を尋ねると、しどろもどろの回答を繰り返したが、堤氏と一緒に問題に関与していたとみられる同支部の支部長で町議の根本剛氏が、本誌の直撃取材を受けた直後に急死。堤氏はその後の同支部からの追及に「自分は何も知らない。根本氏でないと分からない」と言い逃れ、責任を回避した。

 「死人に口無しとばかり根本氏に責任を押し付けた形だが、地元の自民党員は誰も納得していない」(同)

 そんな堤氏が町議選の立候補予定者説明会に出席したため「どの面下げて出馬するつもりだ」と批判が噴出したのだ。

 町役場関係者によると、堤氏にはこんな背景があるという。

 「堤氏は渡部英敏前町長と親戚関係にあり、自身が町議になったのも渡部氏を後押しするためだった。しかし、渡部氏が談合などの罪で失脚し、政敵で元県議会議長の杉山純一氏が町長に就いたため、その後は反杉山の立場で議員活動をしていた」

 しかし、今年4月の町長選では杉山氏が無投票で再選。旧会津高田町時代から誇っていた渡部氏の影響力は見られなくなった。そうなると、反杉山としての役目は見いだしづらく、使途不明金問題をめぐる自身への批判も重なり、堤氏は立候補を取りやめたのだ。

 ある議員は言う。

 「家族に反対されたとも聞いているが、堤氏は議員たちに『渡部氏が退き、議員を続ける理由がなくなった』と説明していた。使途不明金については一切触れていなかった」

 この4年間は議員によるハラスメントや一般質問盗用など、低レベルな問題に振り回されてきた会津美里町議会。新しい体制のもとで、町民のための実りある議論が展開されることが求められる。

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