『政経東北』8月号で、相双生コンクリート協同組合(富岡町)をめぐる「分裂騒動」を報じた。
組合員4社のうち双葉住コン㈱、双葉日立生コンクリート㈱の2社が脱退。さらに組合本部として登記されている建物が、元組合員の双葉住コンを債権者として仮差し押さえされていたことが判明した。
同組合に問い合わせたところ、次のような回答が寄せられた。「組合員間の利益配分が脱退2社に偏っていたのでそれを平準化しようとしたところ、2社の賛同を得られませんでした」「元組合員企業の仮差し押さえに関する請求は、当組合の生産委託事業に関するものです」。
組合に残ったのは福島広野レミコン㈱(広野町)と草野建設㈱(楢葉町)の2社。前者の母体は仙台市に本社を置く下越物産㈱で、組合代表理事を務める相澤勇栄氏は同社の代表でもある。下越物産グループは生コン・セメント販売をはじめ、運送、不動産、建設資材販売などを展開しており、複数の関連会社を抱える。
組合に残った2社の関係者は新たに「双葉生コンクリート」「浜通り生コン」を設立し、組合に加入させた。同組合ではその理由について「福島県中小企業団体中央会の指導を受けて、協同組合から生コンクリート製造事業を移管するために設立されました。(中略)新設された会社への事業の移管については理事会の決議を経ています」と述べていた。
記事掲載後、本誌には同組合をめぐって複数の情報が寄せられた。それらを統合すると、どうやら今回の騒動は、単に「利益配分をめぐって2社が脱退した」というだけでは説明し切れない、根の深い問題を抱えているようだ。
いわき市内の事情通が語る。
「表面化したのは今年3月の2社脱退ですが、内部の対立はもっと前から続いていました。組合運営や会計処理、事業の進め方などをめぐってさまざまな問題が浮上し、それらをまとめた民間信用調査機関のリポートが業界内外で拡散され、周知の事実になっていた。今回の脱退騒動はいわば、それまで積み重なってきた問題が一気に噴き出したものと見るべきでしょう」
もっとも、相澤氏は当時、得意先などに文書を配布し、民間信用調査機関のリポートの内容を否定。同リポートでは不正な会計処理の疑いにも踏み込んで指摘していたが、明確に否定し、「何ら根拠のない憶測」「悪意ある攻撃」と反論していた。
複数の業界関係者によると、2024年には組合内部で相澤氏への不信感が募り、代表理事解任の緊急動議が出され、解任が決まったという。ただ、その後も後任人事が決まらず、登記簿上は相澤氏が代表理事のままになっているとのこと。組合を脱退した2社は前述した問題に加え、こうした対応にも不信感を抱いていたようだ。
少なくとも2年前から組合運営をめぐって対立が続いていたことになるが、組合から本誌への回答にはその件は全く触れられていなかった。前出の事情通は「2社が抜けたことだけを見ていては、この問題の全体像は分からない」と話す。
福島第一原発の廃炉・復興関連工事を背景に、相双地区では今後も一定の生コン需要が見込まれる。そうした中で起きた組合分裂、仮差し押さえ、新会社設立。騒動はまだ収束したとは言えなさそうだ。
引き続き、周辺の動きをウオッチしていきたい。






















に向けて掲げられたプラカード。過激な言葉が並んだ=2025年10月19日、仙台市青葉区河北新報提供-002_eyecatch-520x305.jpg)



