喜多方市は来年4月に議員が任期満了となり改選を迎える。まだ話題になることはそれほど多くないが、本誌には市民から厳しい声が寄せられている。「本会議でろくに発言(一般質問)もしないくせに、『議員であり続けたい』という理由だけで次の選挙にも出ると言っている議員がいて困る。高齢の議員ほど、そういう人が多い。一体、誰のため、何のために議員をやっているのか」と。そこで、現任期の同市議の一般質問実施状況を調べてみた。
「発言しない議員」に再選目指す資格はあるか
議員にとって一般質問は、執行部に対して、市政全般について質問し、考え方や政策方針を明らかにさせるための重要な場である。一般質問の意義を整理すると、以下のようなことが挙げられる。
1、行政の監視
議会の最大の役割は、行政が適切に仕事をしているかを監視すること。一般質問では、事業の進捗はどうか、その進め方に問題はなかったのか、事業費の決定・執行に問題はなかったか、法令や条例に沿った行政運営がされているか等々を問い、執行部に説明責任を果たさせることができる。
2、市民の声を行政に届ける役割
議員は地域住民の代表である。そのため、防災対策、子育て支援、高齢者福祉など、市民から寄せられた要望や課題を一般質問で取り上げることで、市民の声を市政に反映させるきっかけすることができる。
3、政策提案
議員選挙で「政策」を語る人がいるが、議会は「政策立案機関」ではない。そんな中でもできることは、一般質問で、新しい制度の導入や地域活性化策などを提案すること。それによって、執行部に検討を促すことができる。
4、市(市長)の考えを明確にする役割
一般質問では、市長や担当部長などが答弁する。これは記録(議事録)として残されるため、「今後、こういったことが起きたらどうするのか」というような、政策判断の基準や行政としての約束事、あるいは市長の政治姿勢・責任などを明確にすることができる。
5、市民への情報公開
一般質問が行われるのは本会議で、これは誰でも傍聴することができる。近年はネット配信するところが多い。数カ月ほど時間は要するが、後に議事録も公開される。そのため、行政がどんなことをしようとしているのかなどを市民が知る機会になる。
おおむね、こんなところだが、総じて言うなら、「執行部に緊張感を与える」という意味で、非常に大きな役割がある。議員にとって、最大の「見せ場」であると言っていい。
言い換えると、一般質問での登壇回数は、「議員活動の客観的なバロメーター」ということができる。
登壇回数に大きな差
そんな中で市民から寄せられた「本会議でろくに発言(一般質問)もしないくせに、『議員であり続けたい』という理由だけで次の選挙にも出ると言っている議員がいて困る。高齢の議員ほど、そういう人が多い。一体、誰のため、何のために議員をやっているのか」という声に答えるべく、本誌は、今任期(2023年6月定例会〜今年6月定例会まで)の同市議の定例会ごとの一般質問実施状況を調査・集計した。
喜多方市議選の前回選挙結果
2023年4月23日投開票
(投票率59.09%)
当 1354 遠藤 吉正(64) 無現
当 1348 山口 和男(75) 無現
当 1207 渡部 忠寛(47) 無新
当 1149 渡部 一樹(40) 無現
当 1132 山口 文章(45) 無現
当 1066 十二村秀孝(51) 無現
当 1053 齋藤 仁一(70) 無現
当 1019 齋藤勘一郎(75) 無現
当 964 小島 雄一(69) 無現
当 896 小林 時夫(62) 公現
当 864 菊地とも子(64) 公現
当 846 後藤 誠司(75) 無現
当 843 高畑 孝一(71) 無新
当 834 五十嵐吉也(83) 無現
当 810 坂内まゆみ(63) 無新
当 804 佐原 正秀(75) 無現
当 802 佐藤 忠孝(79) 無現
当 785 渡部 勇一(67) 無現
当 778 田中 修身(61) 共新
当 719 矢吹 哲哉(70) 共現
当 678 伊藤 弘明(64) 無現
当 648 上野利一郎(61) 無現
591 蛭川 靖弘(56) 無現
556 渡部 崇(50) 無新
452 関本美樹子(73) 無現

法令上、禁止されているわけではないが、議長は議会を公正・中立に運営する立場にあるといった観点から、一般質問は行わないのが通例となっている。同市議会は議長が2年交代制となっており、任期前半は小林時夫議員、後半は伊藤弘明議員が議長を務めている。鈴木守議員は、今年1月25日に投開票された市長選と同時日程で行われた補欠選挙で当選した。それまでは同市長選に立候補した渡部一樹氏が議員を務めており、渡部氏は一般質問の頻度が高かった。
調査・集計結果を見れば分かるように、各定例会でほぼ欠かさず一般質問を行い、市政を質し続けている議員もいれば、登壇頻度が極めて低い議員もいる。すべての議員が少なくとも1回以上は一般質問を行っているものの、そのペースには大きな開きがある。
もっとも、ここで強調しておかなければならないのは、「一般質問の回数が多ければ、その議員はそれだけ優秀」というわけではないことだ。いくら回数を重ねても、自己満足の持論展開であったり、地域実態に見合っていない内容であったり、事実誤認・思い込みに基づく追及であったりしたのでは意味がない。
重要なのは質問の「中身(質)」で、いかに深く市政の課題を突いているか、市民にとって有益な政策実現につながったか、行政のチェック機能に結びついたか等々だ。本稿ではそこまで問わないが、市民の皆さんはそれぞれの判断基準で、誰が有益な一般質問を行っているかを見定めてほしい。
一方、登壇回数が少ない議員の中には「委員会活動や地域の地道な調査研究に重きを置いている」という人もいるかもしれない。当然、それも評価されるべきだが、前述したように一般質問は議員が議場という開かれたところで、市政を質すことができる最大の場である。登壇回数が極端に少なければ、市民はその議員が「どんな考えを持ち、どう活動しているのか」を判断することはできない。そんな中で、ただ「議員であり続けたい」というだけで再選を目指すなら、それは市民への背信行為にほかならない。
有権者も、知名度や地縁・血縁だけでなく、この4年間で誰がどのように「仕事(議員活動)」をしてきたのかを見極める必要がある。
南相馬市の状況
ところで、ここまで書いてきたが、今後県内では喜多方市より先に議員改選を迎える市がある。今年11月に議員任期満了となる南相馬市だ。11月8日告示、15日投開の日程で議員選挙が実施される。
そこで、南相馬市の一般質問実施状況も調査・集計した。
南相馬市議選の前回選挙結果
2022年11月20日投開票
(投票率56.37%)
当 6061 桜井 勝延(66) 無元
当 1938 志賀 稔宗(69) 公現
当 1557 細田 廣(72) 無現
当 1325 菊地 洋一(63) 無現
当 1263 平田 武(73) 無現
当 1181 竹野 光雄(62) 無現
当 1163 郡 俊彦(82) 無元
当 1136 今村 裕(60) 無現
当 1111 田中 京子(68) 無現
当 1002 山田 雅彦(58) 無現
当 944 田中 一正(59) 無現
当 885 表 信司(44) 無新
当 871 大場 裕朗(51) 無現
当 860 中川 庄一(65) 無現
当 810 鈴木 昌一(68) 無現
当 741 渡部 一夫(74) 無現
当 723 鈴木 貞正(76) 無現
当 715 渡部 寛一(69) 共現
当 693 岡﨑 義典(48) 無現
当 594 太田 淳一(52) 無現
当 521 小川 尚一(67) 無現
当 517 大岩 常男(69) 無現
509 高橋 真(54) 無現
383 栗村 文夫(57) 共現
335 大山 弘一(60) 無現
313 島 由季(46) 無新

喜多方市同様、全定例会で一般質問を行っている議員もいれば、ほとんど行っていない議員、ゼロの議員もいる。ちなみに桜井勝延氏は今年1月の市長選に立候補したため辞職したが、在職時は登壇頻度が高かった。これをどう判断するかは市民に委ねるが、ここで指摘した一般質問の意義・重要性を考えたうえで投票行動に移してほしいと願う。
来年は喜多方市(4月29日任期満了)のほかにも、7市で議員選挙が実施される。もともとは統一地方選として喜多方市と同時期に実施されていたが、2011年の東日本大震災・東京電力福島第一原発事故を受け、特例措置で選挙の時期をずらしたところもあったため、夏以降に集中している。列挙すると、白河市(7月8日任期満了)、福島市(7月30日任期満了)、本宮市(7月31日任期満了)、会津若松市(8月6日任期満了)、郡山市・須賀川市(9月3日任期満了)、相馬市(11月19日任期満了)の順。機を見て、これら市議会の一般質問実施状況も調査・集計し、本誌で取り上げられればと考えている。
※議会だよりを見れば誰が一般質問を行ったかを確認することができる。最近はQRコードが付与され、それを読み込めば一般質問の様子を動画で見られるようにしているところも多い。

























