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会津商工会議所

  • 【会津商工会議所】澁川惠男会頭インタビュー

     しぶかわ・ともお 1947年生まれ。会津高、日大商学部卒。澁川問屋会長。会津若松商工会議所副会頭などを経て、2016年から現職。現在3期目。    澁川問屋会長の澁川惠男氏が会津若松商工会議所の会頭に再任され、3期目が始動した。経済は新型コロナウイルスによる打撃から回復傾向にあるが、円安、物価高、燃料高騰が企業の経営を圧迫。澁川氏は「全国旅行支援」の効果をより高めるため、観光のオフシーズンにも実施することを提言する。  ――会頭職3期目を迎えました。これまでを振り返っての感想をお聞かせください。  「2016年に初めて会頭に選任いただいた時から、長期的視野による『持続可能な地域の創生』をテーマに掲げ、2500会員の負託に応えるべく、地域経済発展の牽引役として全力で取り組んでまいりました。若者が暮らして楽しいまちづくりを目指す『市街地再開発事業』をはじめ、行政とともに実施した『プレミアム商品券事業』、国のコロナ対策に合わせた『独自の事業者支援制度』、正常な企業活動再開に向けた『コロナワクチン職域接種事業』など、数々のコロナ対策事業を実践し、これらの事業展開が会員の皆様から大きな支持を得ることにつながって、今回3期目の職責をお任せいただくことになったと受け止めております。気を引き締めて負託に応えられるよう努めてまいります」  ――新型コロナウイルスの第8波が到来しています。管内の経済状況を教えてください。  「日本商工会議所の11月調査によると、新型コロナによる経営への影響は、『続いている』とした回答がようやく6割を下回りました。インバウンド復活や全国旅行支援により活動回復が進み、業界は改善傾向にあります。ただ、感染拡大の兆候から消費マインドの低下を懸念する声もあります。  コロナ禍での忘年会シーズンは3度目となります。大半の飲食業にとって12月は最も売り上げが伸びる書き入れ時です。第8波の影響は懸念されますが、行動制限が緩和されていますので、客足回復の兆しが見られています。『コロナ禍前にはほど遠いが、前年よりは増えている』といった状況だと思います」  ――円安、物価高、燃料高騰が続いていますが、管内への影響について教えてください。  「物価高で仕入価格が上昇し、利幅が小さくなっていることに加え、電気代やガス代などの光熱費も上昇し、経営を圧迫しています。深刻なのは『儲けが出ない』ということです。全業種的にB tо Bにおけるコスト増加分の価格転嫁についても、なかなか進んでおりません。価格転嫁できた企業は1割にも満たず、約2割の企業では協議すらできていない状況です。  そのような中、公的資金のゼロゼロ融資が終了した一方、元本返済の据え置き期間が終わり、コロナ融資の返済が本格的に始まりました。金融機関では柔軟な対応をしていただいているようですが、資金繰りは厳しい見通しとなっています。  経済活動は正常化に向かっておりますが、経営課題は山積している状況ですので、政府の経済対策等をいち早く管内事業者に周知しながら、徹底した事業所支援を行っていきます」  ――10月より全国旅行支援が始まりました。観光業への影響はどうですか。  「確かに客足が回復する後押しになったと思います。ただ、その効果を問われると何と言っていいのか分かりません。もともと秋は観光シーズンであり、紅葉とJR只見線の再開通で、地元・東山温泉の予約状況は好調でした。そこに全国旅行支援が重なり、いわゆる予約の付け替え作業が発生しました。また、コロナ禍による感染防止対策として、食事会場へのパーテーション設置や入場人数の制限などにより、全体のキャパシティーが縮小している上、人手不足が深刻で、予約を受けきれないという売り上げ機会を逃す状況となっています。  支援は延長されるようですが、繁忙期ではなく、降雪後のパタッと客足が落ちる閑散期にこそ実施すべき施策だと思っています。  また、経済活動が正常化に向かう中、人手不足を訴える声は観光業以外にも多く聞かれます。解決策の一つとして、外国人の雇用が再び注目されていますので、会員向けの勉強会を開催していくことにしています」  ――JR只見線が全線再開通しました。反響はどうですか。  「只見線は鉄道と自然が織り成す風景が独特で、景色の良さを競うローカル線の人気投票で常に上位にランクインしています。そのため外国人観光客にとても人気で、特に台湾や中国、ベトナム、タイから多く来訪がありました。再開通は昨年10月1日でしたが、話題性に加え、紅葉や全国旅行支援などが重なり、座れないほどの混雑となりました。JR東日本は臨時列車の運行と増車を行っています。  只見町では、宿泊施設や飲食店の予約が取れないほどの活況ぶりで、金山、三島両町を流れる只見川での観光用渡し舟『霧幻峡の渡し』も予約でいっぱい、11月中旬になってようやく落ち着いたと聞きました。  沿線への波及効果に確かな手応えを感じています。ただ便数と乗車時間の関係からツアー商品がつくりにくい、冬はどうしても閑散期となってしまうなどおもてなしにロスが出ている実情があります。インバウンドに関しては、冬景色と只見線の競演で、日本らしい観光が提供できると期待しています。観光入込の平準化のためにも、県、沿線自治体、観光関係者が知恵を出し合いながら対策の検討を進めるしかないと思っています。  会津若松は只見線の起点であり、会津観光の玄関口です。日光、仙台、新潟からお越しになるケースも多く、これらの都市との連携は非常に重要であると思います。新潟県佐渡市が世界遺産登録を目指していることもあり、行政では相互誘客や広域的な観光周遊ルートの構築を目指しておりますので、商工会議所としても民間ならではの交流を進めていきたいと思っています」  ――今後の抱負をお聞かせください。  「市街地再開発事業への取り組みをより進めます。2020年に実施した市民アンケートの結果をもとに有識者による検討委員会を立ち上げ、市内5つの主要な土地の有効活用についてまとめました。昨年は『街なか再開発構想』として行政に提言しましたので、今年は実現に向けて不退転の決意で臨んでいきます。  事業所の変化を後押しします。ポストコロナ時代だからこそ、チャレンジが必要で、新たな事業計画策定などの支援業務が重要になってきます。管内商工業に明るい展望が見えるよう、意識改革を促しながら経済を牽引していく所存です」

  • 【会津商工会議所】澁川惠男会頭インタビュー

     しぶかわ・ともお 1947年生まれ。会津高、日大商学部卒。澁川問屋会長。会津若松商工会議所副会頭などを経て、2016年から現職。現在3期目。    澁川問屋会長の澁川惠男氏が会津若松商工会議所の会頭に再任され、3期目が始動した。経済は新型コロナウイルスによる打撃から回復傾向にあるが、円安、物価高、燃料高騰が企業の経営を圧迫。澁川氏は「全国旅行支援」の効果をより高めるため、観光のオフシーズンにも実施することを提言する。  ――会頭職3期目を迎えました。これまでを振り返っての感想をお聞かせください。  「2016年に初めて会頭に選任いただいた時から、長期的視野による『持続可能な地域の創生』をテーマに掲げ、2500会員の負託に応えるべく、地域経済発展の牽引役として全力で取り組んでまいりました。若者が暮らして楽しいまちづくりを目指す『市街地再開発事業』をはじめ、行政とともに実施した『プレミアム商品券事業』、国のコロナ対策に合わせた『独自の事業者支援制度』、正常な企業活動再開に向けた『コロナワクチン職域接種事業』など、数々のコロナ対策事業を実践し、これらの事業展開が会員の皆様から大きな支持を得ることにつながって、今回3期目の職責をお任せいただくことになったと受け止めております。気を引き締めて負託に応えられるよう努めてまいります」  ――新型コロナウイルスの第8波が到来しています。管内の経済状況を教えてください。  「日本商工会議所の11月調査によると、新型コロナによる経営への影響は、『続いている』とした回答がようやく6割を下回りました。インバウンド復活や全国旅行支援により活動回復が進み、業界は改善傾向にあります。ただ、感染拡大の兆候から消費マインドの低下を懸念する声もあります。  コロナ禍での忘年会シーズンは3度目となります。大半の飲食業にとって12月は最も売り上げが伸びる書き入れ時です。第8波の影響は懸念されますが、行動制限が緩和されていますので、客足回復の兆しが見られています。『コロナ禍前にはほど遠いが、前年よりは増えている』といった状況だと思います」  ――円安、物価高、燃料高騰が続いていますが、管内への影響について教えてください。  「物価高で仕入価格が上昇し、利幅が小さくなっていることに加え、電気代やガス代などの光熱費も上昇し、経営を圧迫しています。深刻なのは『儲けが出ない』ということです。全業種的にB tо Bにおけるコスト増加分の価格転嫁についても、なかなか進んでおりません。価格転嫁できた企業は1割にも満たず、約2割の企業では協議すらできていない状況です。  そのような中、公的資金のゼロゼロ融資が終了した一方、元本返済の据え置き期間が終わり、コロナ融資の返済が本格的に始まりました。金融機関では柔軟な対応をしていただいているようですが、資金繰りは厳しい見通しとなっています。  経済活動は正常化に向かっておりますが、経営課題は山積している状況ですので、政府の経済対策等をいち早く管内事業者に周知しながら、徹底した事業所支援を行っていきます」  ――10月より全国旅行支援が始まりました。観光業への影響はどうですか。  「確かに客足が回復する後押しになったと思います。ただ、その効果を問われると何と言っていいのか分かりません。もともと秋は観光シーズンであり、紅葉とJR只見線の再開通で、地元・東山温泉の予約状況は好調でした。そこに全国旅行支援が重なり、いわゆる予約の付け替え作業が発生しました。また、コロナ禍による感染防止対策として、食事会場へのパーテーション設置や入場人数の制限などにより、全体のキャパシティーが縮小している上、人手不足が深刻で、予約を受けきれないという売り上げ機会を逃す状況となっています。  支援は延長されるようですが、繁忙期ではなく、降雪後のパタッと客足が落ちる閑散期にこそ実施すべき施策だと思っています。  また、経済活動が正常化に向かう中、人手不足を訴える声は観光業以外にも多く聞かれます。解決策の一つとして、外国人の雇用が再び注目されていますので、会員向けの勉強会を開催していくことにしています」  ――JR只見線が全線再開通しました。反響はどうですか。  「只見線は鉄道と自然が織り成す風景が独特で、景色の良さを競うローカル線の人気投票で常に上位にランクインしています。そのため外国人観光客にとても人気で、特に台湾や中国、ベトナム、タイから多く来訪がありました。再開通は昨年10月1日でしたが、話題性に加え、紅葉や全国旅行支援などが重なり、座れないほどの混雑となりました。JR東日本は臨時列車の運行と増車を行っています。  只見町では、宿泊施設や飲食店の予約が取れないほどの活況ぶりで、金山、三島両町を流れる只見川での観光用渡し舟『霧幻峡の渡し』も予約でいっぱい、11月中旬になってようやく落ち着いたと聞きました。  沿線への波及効果に確かな手応えを感じています。ただ便数と乗車時間の関係からツアー商品がつくりにくい、冬はどうしても閑散期となってしまうなどおもてなしにロスが出ている実情があります。インバウンドに関しては、冬景色と只見線の競演で、日本らしい観光が提供できると期待しています。観光入込の平準化のためにも、県、沿線自治体、観光関係者が知恵を出し合いながら対策の検討を進めるしかないと思っています。  会津若松は只見線の起点であり、会津観光の玄関口です。日光、仙台、新潟からお越しになるケースも多く、これらの都市との連携は非常に重要であると思います。新潟県佐渡市が世界遺産登録を目指していることもあり、行政では相互誘客や広域的な観光周遊ルートの構築を目指しておりますので、商工会議所としても民間ならではの交流を進めていきたいと思っています」  ――今後の抱負をお聞かせください。  「市街地再開発事業への取り組みをより進めます。2020年に実施した市民アンケートの結果をもとに有識者による検討委員会を立ち上げ、市内5つの主要な土地の有効活用についてまとめました。昨年は『街なか再開発構想』として行政に提言しましたので、今年は実現に向けて不退転の決意で臨んでいきます。  事業所の変化を後押しします。ポストコロナ時代だからこそ、チャレンジが必要で、新たな事業計画策定などの支援業務が重要になってきます。管内商工業に明るい展望が見えるよう、意識改革を促しながら経済を牽引していく所存です」