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  • 【Jパワー】更新工事進む鬼首地熱発電所

     Jパワー(電源開発)が運営する鬼首地熱発電所(宮城県大崎市、1万5000㌔㍗)は40年以上にわたり電力を安定供給してきた。現在は更新工事の最終段階にあり、2023年4月の運転再開に向け、各種機器などの整備が進められている。 更新工事中の鬼首地熱発電所(手前が還元井、奥が冷却塔)  地熱発電は地下に溜まった蒸気や熱水を「生産井」でくみ上げ、気水分離器を経て蒸気でタービンを回す発電方法。使い終わった蒸気は冷却塔で冷やし、熱水とともに「還元井」で地下に戻す。 くみ上げた蒸気と熱水を分ける「気水分離器」  循環利用できれば長期間にわたり安定的な発電が可能となる。天候の影響を受けず、CO2排出量も少ない。設備利用率(フル稼働時の発電量に占める実際の発電量の割合)は風力約20%、太陽光約12%に対し、地熱発電は約80%だ。  同発電所は鳴子温泉郷から北西約20㌔の「鬼首カルデラ」内に位置し、「栗駒山国定公園」として第一種特別地域の指定を受けている。同社では戦後早くから地熱発電所の建設に着手した。1975(昭和50)年に出力9000㌔㍗で営業運転開始。以降、順次出力を増やし、2010年には1万5000㌔㍗に増強した。  その後、環境負荷の低減や安全性考慮の観点から新たな設備の導入が必要と判断し、17年に一時運転停止。19年から設備更新工事に入った。  生産井9坑、還元井8坑を埋め戻し、新たに掘削した生産井5坑、還元井5坑に集約。これでも出力は更新前とほぼ同水準を維持(1万4900万㌔㍗)。タービン棟を新設し発電機の効率が向上したことで、使用する熱水量・蒸気量が従前より減少するため、有毒な硫化水素の排出量が減少した。過去に生産井付近で発生した噴気災害を念頭に入れ、高温地帯に設備を設けないようにした。  すでに電気、建築設備は立ち上がり、生産井の噴気試験も終了。11月に試運転を開始した。更新工事には同社のほか、グループ会社や協力会社が連携して取り組んでおり、生産井などの掘削工事は主にJパワーハイテックが担った。  同発電所は地域振興の役割も担う。21年度には地元・大崎市の小学校や高校で授業を行い、鳴子温泉の特質や地元資源の独自性、地熱発電の仕組みなどを説明した。地元のお祭りや清掃活動にも積極的に参加しているほか、再生可能エネルギーを扱う東北大学の出前授業にも近々出講する予定となっている。  Jパワーでは50年までに国内発電事業のCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げている。同発電所の北約2㌔の地点にある高日向山地域(宮城県大崎市)では新たな地熱発電所の開発を目的とした資源量調査も進んでいる。  今後も同社ではエネルギーを不断に供給し続ける使命を念頭に、地域と信頼関係を築きながら事業を継続していく考えだ。

  • 【Jパワー】更新工事進む鬼首地熱発電所

     Jパワー(電源開発)が運営する鬼首地熱発電所(宮城県大崎市、1万5000㌔㍗)は40年以上にわたり電力を安定供給してきた。現在は更新工事の最終段階にあり、2023年4月の運転再開に向け、各種機器などの整備が進められている。 更新工事中の鬼首地熱発電所(手前が還元井、奥が冷却塔)  地熱発電は地下に溜まった蒸気や熱水を「生産井」でくみ上げ、気水分離器を経て蒸気でタービンを回す発電方法。使い終わった蒸気は冷却塔で冷やし、熱水とともに「還元井」で地下に戻す。 くみ上げた蒸気と熱水を分ける「気水分離器」  循環利用できれば長期間にわたり安定的な発電が可能となる。天候の影響を受けず、CO2排出量も少ない。設備利用率(フル稼働時の発電量に占める実際の発電量の割合)は風力約20%、太陽光約12%に対し、地熱発電は約80%だ。  同発電所は鳴子温泉郷から北西約20㌔の「鬼首カルデラ」内に位置し、「栗駒山国定公園」として第一種特別地域の指定を受けている。同社では戦後早くから地熱発電所の建設に着手した。1975(昭和50)年に出力9000㌔㍗で営業運転開始。以降、順次出力を増やし、2010年には1万5000㌔㍗に増強した。  その後、環境負荷の低減や安全性考慮の観点から新たな設備の導入が必要と判断し、17年に一時運転停止。19年から設備更新工事に入った。  生産井9坑、還元井8坑を埋め戻し、新たに掘削した生産井5坑、還元井5坑に集約。これでも出力は更新前とほぼ同水準を維持(1万4900万㌔㍗)。タービン棟を新設し発電機の効率が向上したことで、使用する熱水量・蒸気量が従前より減少するため、有毒な硫化水素の排出量が減少した。過去に生産井付近で発生した噴気災害を念頭に入れ、高温地帯に設備を設けないようにした。  すでに電気、建築設備は立ち上がり、生産井の噴気試験も終了。11月に試運転を開始した。更新工事には同社のほか、グループ会社や協力会社が連携して取り組んでおり、生産井などの掘削工事は主にJパワーハイテックが担った。  同発電所は地域振興の役割も担う。21年度には地元・大崎市の小学校や高校で授業を行い、鳴子温泉の特質や地元資源の独自性、地熱発電の仕組みなどを説明した。地元のお祭りや清掃活動にも積極的に参加しているほか、再生可能エネルギーを扱う東北大学の出前授業にも近々出講する予定となっている。  Jパワーでは50年までに国内発電事業のCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げている。同発電所の北約2㌔の地点にある高日向山地域(宮城県大崎市)では新たな地熱発電所の開発を目的とした資源量調査も進んでいる。  今後も同社ではエネルギーを不断に供給し続ける使命を念頭に、地域と信頼関係を築きながら事業を継続していく考えだ。