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桜井勝延

  • 選挙を経て市政監視機能が復活した南相馬市議会

     任期満了に伴う南相馬市議選(定数22)は2022年11月20日に投開票され、現職19人、元職2人、新人1人が当選した(開票結果は別掲の通り)。  注目は本誌先月号で既報の通り、元市長の桜井勝延氏が立候補したことだった。市議を経て2010年から市長を2期務めたが、14、18年の市長選で現市長の門馬和夫氏に敗れた桜井氏。再び市議を目指すことに市民からは「どれくらい得票するのか」と注目が集まったが、結果は6061票と2位に4123票差をつける圧勝を飾った。  もっとも、当の桜井氏が意識したのは投票率だった。桜井氏は立候補の挨拶回りをする中で、市民が市議会に関心がないことを知り「市議会は市政のチェック機関だが、市議会に関心を持たないと市政に無関心な市民が増えてしまう」と危機感を露わにしていた。自分が立候補することで市民の関心を少しでも市議選に向けさせたいと選挙戦に臨んだが、結果は56・37%で前回(2018年)の55・91%から0・46㌽の上昇にとどまった。  これをどう受け止めるかだが、桜井氏は「思ったより伸びなかった」と評している。2014年の市議選の投票率は59・10%なので、低下に歯止めをかけたのは事実だが、桜井氏の立候補が市民の関心を向けさせるきっかけになったかというと、ゼロではないが起爆剤とはならなかったようだ。  とはいえ、有権者の投票行動には明らかな変化が見られた。  一つ目は、現職の当選者(19人)が全員、前回より得票数を減らしたことだ。少ない人で100票前後、多い人で1100票も減らした。  その分の全てが桜井氏に投じられたかというとそうではない。二つ目の変化は、桜井氏以外にもう1人、元職が当選したことだ。郡俊彦氏は旧鹿島町議も長く務めたベテランだが、2010年の市議選で落選し政界引退。ただ引退後も「わだい」という広報紙を発行し、門馬市政を厳しく批判していた。  実は、郡氏は現職時代、共産党議員として活動していたが、今回の市議選では公認申請せず無所属で立候補した。  「同市の共産党議員は今回6選を果たした渡部寛一氏と落選した栗村文夫氏だが、2人は門馬市政を支える与党のため、郡氏は『共産党として市政をチェックする役目を果たしていない』と不満だったのです。そこで、郡氏はあえて無所属で12年ぶりの市議選に挑み、1163票で返り咲いた。一方、渡部氏と栗村氏は前回より揃って600票以上減らした。2人の減らした分がそっくり郡氏に回ったことで、市内の共産党員が与党として活動する2人を評価していないことが明白になった」(選挙通)  そして三つ目の変化が、初当選した表信司氏の存在だ。表氏は市職員を退職して市議選に挑んだが、実際に門馬市長に仕えて「この市政はおかしい」と問題意識を持ったことが立候補の動機になった。  投票率の上昇はわずかだが、現職全員が得票数を減らす中、桜井氏、郡氏、表氏が当選したのは「今の市議会は門馬市政をチェックできていない」と市民が判断した証拠だ。改選後の市議会がどう変わっていくのか注目される。

  • 選挙を経て市政監視機能が復活した南相馬市議会

     任期満了に伴う南相馬市議選(定数22)は2022年11月20日に投開票され、現職19人、元職2人、新人1人が当選した(開票結果は別掲の通り)。  注目は本誌先月号で既報の通り、元市長の桜井勝延氏が立候補したことだった。市議を経て2010年から市長を2期務めたが、14、18年の市長選で現市長の門馬和夫氏に敗れた桜井氏。再び市議を目指すことに市民からは「どれくらい得票するのか」と注目が集まったが、結果は6061票と2位に4123票差をつける圧勝を飾った。  もっとも、当の桜井氏が意識したのは投票率だった。桜井氏は立候補の挨拶回りをする中で、市民が市議会に関心がないことを知り「市議会は市政のチェック機関だが、市議会に関心を持たないと市政に無関心な市民が増えてしまう」と危機感を露わにしていた。自分が立候補することで市民の関心を少しでも市議選に向けさせたいと選挙戦に臨んだが、結果は56・37%で前回(2018年)の55・91%から0・46㌽の上昇にとどまった。  これをどう受け止めるかだが、桜井氏は「思ったより伸びなかった」と評している。2014年の市議選の投票率は59・10%なので、低下に歯止めをかけたのは事実だが、桜井氏の立候補が市民の関心を向けさせるきっかけになったかというと、ゼロではないが起爆剤とはならなかったようだ。  とはいえ、有権者の投票行動には明らかな変化が見られた。  一つ目は、現職の当選者(19人)が全員、前回より得票数を減らしたことだ。少ない人で100票前後、多い人で1100票も減らした。  その分の全てが桜井氏に投じられたかというとそうではない。二つ目の変化は、桜井氏以外にもう1人、元職が当選したことだ。郡俊彦氏は旧鹿島町議も長く務めたベテランだが、2010年の市議選で落選し政界引退。ただ引退後も「わだい」という広報紙を発行し、門馬市政を厳しく批判していた。  実は、郡氏は現職時代、共産党議員として活動していたが、今回の市議選では公認申請せず無所属で立候補した。  「同市の共産党議員は今回6選を果たした渡部寛一氏と落選した栗村文夫氏だが、2人は門馬市政を支える与党のため、郡氏は『共産党として市政をチェックする役目を果たしていない』と不満だったのです。そこで、郡氏はあえて無所属で12年ぶりの市議選に挑み、1163票で返り咲いた。一方、渡部氏と栗村氏は前回より揃って600票以上減らした。2人の減らした分がそっくり郡氏に回ったことで、市内の共産党員が与党として活動する2人を評価していないことが明白になった」(選挙通)  そして三つ目の変化が、初当選した表信司氏の存在だ。表氏は市職員を退職して市議選に挑んだが、実際に門馬市長に仕えて「この市政はおかしい」と問題意識を持ったことが立候補の動機になった。  投票率の上昇はわずかだが、現職全員が得票数を減らす中、桜井氏、郡氏、表氏が当選したのは「今の市議会は門馬市政をチェックできていない」と市民が判断した証拠だ。改選後の市議会がどう変わっていくのか注目される。