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福島県建設業協会

  • 【福島県建設業協会】長谷川浩一会長インタビュー【2023年9月号】

    【福島県建設業協会】長谷川浩一会長インタビュー【2023年9月号】

    はせがわ・こういち 1962年生まれ。法政大卒。堀江工業(いわき市)社長。2019年5月に県建設業協会会長に就き、現在3期目。  一般社団法人・福島県建設業協会は5月に総会を開き、長谷川浩一会長(堀江工業社長)を再任した。新たな任期に入った長谷川会長に、大規模化・頻発化する災害復旧などへの対応や、働き方改革・担い手不足への対応、公共工事の入札で不祥事が相次いでいる問題への対策、業界の課題などについてインタビューした。 県土発展に貢献できるように課題克服に取り組む。  ――役員改選を経て会長職続投となりました。この間を振り返って。  「会長就任時の令和元年から新型コロナウイルスの感染が拡大し、まさにコロナに翻弄された2期4年間でした。また、この間は、東日本大震災の復旧・復興事業が総仕上げを迎える一方で、史上最大級の台風被害となった令和元年東日本台風や、2年連続で発生した福島県沖地震などの大規模自然災害も頻発しました。建設業協会は地域の守り手として、昼夜を問わない応急業務対策への従事により、県民の安全・安心を確保しながら、復旧・復興工事の着実な進捗を担うなど、地域建設業の役割を全うできたと考えています」  ――来年4月から建設業でも時間外労働時間の罰則付上限規制が適用となり、働き方改革の重要性がより高まっています。  「働き方改革については、ICT活用や現場技術者に対する支援などにより、時間外労働時間の短縮を図った具体的かつ先駆的な事例を紹介するとともに、当協会の働き方改革等検討ワーキンググループで作成したQ&A集を活用した会員への助言など、本会の『働き方改革行動指針』に基づき、会員企業の労働環境の改善を支援していきます。また、公的発注機関に対して、実態に見合った現場経費の積算、熱中症対策や書類作成に要する時間を加味した適正な工期設定、週休2日に対応した設計労務単価の引き上げなど、働き方改革を進めるために不可欠な対応を引き続き求めていきます。  一方、民間工事では依然として厳しい工期設定による工事契約が散見され、働き方改革が進まない一因となっています。今後は労働局の協力を得て、経済団体や大手企業に対し長時間労働削減への協力要請を行うなど、民間発注者に対しても建設業の働き方改革に対する理解と協力を求めていく考えです」 入札絡みの不祥事に遺憾  ――昨年、「第二次ふくしま建設業振興プラン」が策定されました。  「このプランでは①『経営力の強化、生産性の向上』、②『担い手の確保・育成』、③『地域の守り手としての役割を持続的に担うことのできる環境づくり』の3つを根幹に据え、その達成に向けた取り組みを進めていきます。  具体的には①『経営力の強化、生産性の向上』の実現に向け、国や県と連携し、ICT技術の活用や建設DXの推進に向けた研修会の実施、各種情報提供を行うとともに、関係機関に対しては会員企業のICT機器の導入促進に向けた補助制度の充実などの支援を求めていきます。  ②『担い手の確保・育成』に向けては、これまで高校生を対象とした現場実習やインターンシップの開催、小・中学生を対象とした職業体験や現場見学会の開催、SNSを活用した建設業の魅力発信など、若年層を対象としたさまざまな広報活動を実施してきました。今年度は協会ホームページの全面リニューアルや道の駅での建設業のPRといった新たな取り組みを通じて、より広い年齢層に建設業の役割や魅力を発信していきます。技術者育成については、令和3年から開講した『土木初任者研修(前期)』に加え、令和4年からは後期講習も開講し、経験が浅い若手技術者の育成に注力しています。また、産学官連携による技術者育成である『ふくしまМE(メンテナンスエキスパート)』は、昨年度までの育成講座開催による認定者が700人を超えており、今後とも地域インフラの維持管理を担う技術者育成制度の充実に努めていきます。  ③『地域の守り手としての役割を持続的に担うことのできる環境づくり』の実現に向けては、大規模化・頻発化する災害に加え、昨年発生した鳥インフルエンザの対応などを踏まえ、協会としての防災対応力を高め、『地域の守り手』としての社会的役割を果たしていきたいと考えています。現在はラインワークスを活用した災害時の連絡網の強化や、大規模災害時の広域的支援に備えた資材備蓄の充実など、災害対応への強化を進めています。今年5月には、県より災害対策基本法に基づく『指定地方公共機関』の指定を受け、当協会が災害支援を担う公的な団体に位置付けられました。災害時の我々の役割が一層高まっているので、今後も大規模災害に備えた組織強化に努めます」  ――最近は公共工事の入札における設計金額の情報漏洩や贈収賄などの不祥事が相次いでいます。  「県内建設業界は、平成18年の公共工事に絡む不祥事によって社会的信用が大きく失墜した経緯から、猛省して不断に法令順守の徹底に努めてきました。その後、東日本大震災や豪雨災害等での初動対応やインフラの復旧・復興への貢献、様々な社会貢献活動を通じ、徐々に県民の信頼回復への手応えを感じていたところです。しかし残念ながら、近年公共工事に絡む不祥事が続いております。これは公正で透明性の高いものであるべき入札制度を貶め、建設業に対する県民の信頼を著しく失墜させる重大な犯罪行為であり、誠に遺憾なことと受け止めています。これらの事件を一会員企業の問題ではなく、協会全体の問題と捉え、会員に対してさらなる法令順守の徹底と、企業倫理の確立についてあらためて要請しました。今年度も引き続き、関係法令への理解を深め、コンプライアンス順守の機運を醸成する研修などを継続的に実施し、再発防止に努めていきます」  ――今年度の重点事業について。  「少子高齢化の進展に伴う就業人口の減少は、全産業共通の課題ですが、県内建設業界はより深刻な状況で、この中で若年者の入職・定着を促進するためには、建設業に将来を託すことができ、安心して働き続けられる新4K(給料・休日・希望・かっこいい)の魅力ある業界にすることが不可欠です。そのために協会として、働き方改革と担い手確保という相互に関連する2大課題について重点的に対応していく考えです」  ――今後の抱負。  「建設業界では、今後も担い手不足や事業継承問題などが懸念される中、建設DXを活用した生産性の向上や、SDGs・カーボンニュートラルへの対応といった新たな課題も山積しています。協会としては、建設業が地域の基幹産業として引き続き県土の発展に貢献していけるよう、『協会として何ができるか』を常に自問自答しながら、会員各社の知恵や経験を結集し、組織力を発揮することで課題の克服に取り組んでいきます」

  • 長谷川浩一建設業協会会長

    【福島県建設業協会】長谷川浩一会長インタビュー

    県土と業界の発展に貢献する はせがわ・こういち 1962年2月生まれ。法政大卒。堀江工業社長。福島県建設業協会副会長を経て、2019年5月から現職。  ――最初に新年の抱負を。 「昨年は、国道118号鳳坂トンネルや国道252号本名バイパスの開通、令和元年東日本台風で被災した河川の改修など、本県の復旧・復興に向けたプロジェクトが大きく前進した年でありました。 一方で、3月の福島県沖地震や8月の豪雨災害、年末の鳥インフルエンザ発生など度重なる災害に見舞われた年でもありました。そうした中でも、会員企業が一致団結し災害対応等に尽力した結果、県民生活の安全安心の確保に努めることができたと考えています。 本年は、昨年末に成立した補正予算により、防災・減災、国土強靭化関連工事が相次いで発注される見込みであることに加え、復興関連の道路整備、令和元年東日本台風関連の河川整備も大詰めを迎えることから、会員企業の総力を挙げて施工体制を強化し、円滑な受注や工事進捗を図ることで県土の発展に貢献していきたいと考えています」 ――コロナ禍、物価高など中小企業を取り巻く環境は厳しいものとなっていますが、県内の建設業界においてはいかがでしょうか。 「長引く新型コロナウイルス感染症の影響に加え、ロシアのウクライナ侵攻以来、原油及び原材料価格が高騰し、世界経済に大きな影響が生じています。 本県建設業界においても、生コンクリートやアスファルト合材及び鋼材など各種建設資材の値上がりに伴うコスト増の影響により、民間建築を中心に工事の中止や先送りが相次ぎ厳しい受注状況が続いています。加えて経費の増大に伴う価格転嫁が困難なことから会員企業の経営環境にも大きな影響を及ぼしています」 ――2023年度の重点事業について。 「2024年4月から、建設業においても時間外労働時間の罰則付上限規制が適用となります。今後は働き方改革への取り組みがより重要になります。当協会としては、発注者の協力を得ながら遠隔臨場などICTを活用した工事管理の効率化を進めるとともに、協会内のワーキンググループにおいて好事例の情報共有を図るなど、各会員企業における働き方改革の取り組みを積極的に支援していきたいと考えています。 建設業は高齢化が進んでおり、担い手の確保が長年の課題となっています。若者に建設業を選んでもらうためには、建設業界全体で週休2日の実現や他業種に見劣りしない収入も必要です。 当協会としては、地域の暮らしを支えるやりがいのある仕事として、一層の労働環境の改善や、ものづくりの楽しさ、『地域の守り手』としての活躍を伝える広報などに取り組んでいきたいと考えています」 福島県建設業協会のホームページ 掲載号:政経東北【2023年2月号】

  • 【福島県建設業協会】長谷川浩一会長インタビュー【2023年9月号】

    はせがわ・こういち 1962年生まれ。法政大卒。堀江工業(いわき市)社長。2019年5月に県建設業協会会長に就き、現在3期目。  一般社団法人・福島県建設業協会は5月に総会を開き、長谷川浩一会長(堀江工業社長)を再任した。新たな任期に入った長谷川会長に、大規模化・頻発化する災害復旧などへの対応や、働き方改革・担い手不足への対応、公共工事の入札で不祥事が相次いでいる問題への対策、業界の課題などについてインタビューした。 県土発展に貢献できるように課題克服に取り組む。  ――役員改選を経て会長職続投となりました。この間を振り返って。  「会長就任時の令和元年から新型コロナウイルスの感染が拡大し、まさにコロナに翻弄された2期4年間でした。また、この間は、東日本大震災の復旧・復興事業が総仕上げを迎える一方で、史上最大級の台風被害となった令和元年東日本台風や、2年連続で発生した福島県沖地震などの大規模自然災害も頻発しました。建設業協会は地域の守り手として、昼夜を問わない応急業務対策への従事により、県民の安全・安心を確保しながら、復旧・復興工事の着実な進捗を担うなど、地域建設業の役割を全うできたと考えています」  ――来年4月から建設業でも時間外労働時間の罰則付上限規制が適用となり、働き方改革の重要性がより高まっています。  「働き方改革については、ICT活用や現場技術者に対する支援などにより、時間外労働時間の短縮を図った具体的かつ先駆的な事例を紹介するとともに、当協会の働き方改革等検討ワーキンググループで作成したQ&A集を活用した会員への助言など、本会の『働き方改革行動指針』に基づき、会員企業の労働環境の改善を支援していきます。また、公的発注機関に対して、実態に見合った現場経費の積算、熱中症対策や書類作成に要する時間を加味した適正な工期設定、週休2日に対応した設計労務単価の引き上げなど、働き方改革を進めるために不可欠な対応を引き続き求めていきます。  一方、民間工事では依然として厳しい工期設定による工事契約が散見され、働き方改革が進まない一因となっています。今後は労働局の協力を得て、経済団体や大手企業に対し長時間労働削減への協力要請を行うなど、民間発注者に対しても建設業の働き方改革に対する理解と協力を求めていく考えです」 入札絡みの不祥事に遺憾  ――昨年、「第二次ふくしま建設業振興プラン」が策定されました。  「このプランでは①『経営力の強化、生産性の向上』、②『担い手の確保・育成』、③『地域の守り手としての役割を持続的に担うことのできる環境づくり』の3つを根幹に据え、その達成に向けた取り組みを進めていきます。  具体的には①『経営力の強化、生産性の向上』の実現に向け、国や県と連携し、ICT技術の活用や建設DXの推進に向けた研修会の実施、各種情報提供を行うとともに、関係機関に対しては会員企業のICT機器の導入促進に向けた補助制度の充実などの支援を求めていきます。  ②『担い手の確保・育成』に向けては、これまで高校生を対象とした現場実習やインターンシップの開催、小・中学生を対象とした職業体験や現場見学会の開催、SNSを活用した建設業の魅力発信など、若年層を対象としたさまざまな広報活動を実施してきました。今年度は協会ホームページの全面リニューアルや道の駅での建設業のPRといった新たな取り組みを通じて、より広い年齢層に建設業の役割や魅力を発信していきます。技術者育成については、令和3年から開講した『土木初任者研修(前期)』に加え、令和4年からは後期講習も開講し、経験が浅い若手技術者の育成に注力しています。また、産学官連携による技術者育成である『ふくしまМE(メンテナンスエキスパート)』は、昨年度までの育成講座開催による認定者が700人を超えており、今後とも地域インフラの維持管理を担う技術者育成制度の充実に努めていきます。  ③『地域の守り手としての役割を持続的に担うことのできる環境づくり』の実現に向けては、大規模化・頻発化する災害に加え、昨年発生した鳥インフルエンザの対応などを踏まえ、協会としての防災対応力を高め、『地域の守り手』としての社会的役割を果たしていきたいと考えています。現在はラインワークスを活用した災害時の連絡網の強化や、大規模災害時の広域的支援に備えた資材備蓄の充実など、災害対応への強化を進めています。今年5月には、県より災害対策基本法に基づく『指定地方公共機関』の指定を受け、当協会が災害支援を担う公的な団体に位置付けられました。災害時の我々の役割が一層高まっているので、今後も大規模災害に備えた組織強化に努めます」  ――最近は公共工事の入札における設計金額の情報漏洩や贈収賄などの不祥事が相次いでいます。  「県内建設業界は、平成18年の公共工事に絡む不祥事によって社会的信用が大きく失墜した経緯から、猛省して不断に法令順守の徹底に努めてきました。その後、東日本大震災や豪雨災害等での初動対応やインフラの復旧・復興への貢献、様々な社会貢献活動を通じ、徐々に県民の信頼回復への手応えを感じていたところです。しかし残念ながら、近年公共工事に絡む不祥事が続いております。これは公正で透明性の高いものであるべき入札制度を貶め、建設業に対する県民の信頼を著しく失墜させる重大な犯罪行為であり、誠に遺憾なことと受け止めています。これらの事件を一会員企業の問題ではなく、協会全体の問題と捉え、会員に対してさらなる法令順守の徹底と、企業倫理の確立についてあらためて要請しました。今年度も引き続き、関係法令への理解を深め、コンプライアンス順守の機運を醸成する研修などを継続的に実施し、再発防止に努めていきます」  ――今年度の重点事業について。  「少子高齢化の進展に伴う就業人口の減少は、全産業共通の課題ですが、県内建設業界はより深刻な状況で、この中で若年者の入職・定着を促進するためには、建設業に将来を託すことができ、安心して働き続けられる新4K(給料・休日・希望・かっこいい)の魅力ある業界にすることが不可欠です。そのために協会として、働き方改革と担い手確保という相互に関連する2大課題について重点的に対応していく考えです」  ――今後の抱負。  「建設業界では、今後も担い手不足や事業継承問題などが懸念される中、建設DXを活用した生産性の向上や、SDGs・カーボンニュートラルへの対応といった新たな課題も山積しています。協会としては、建設業が地域の基幹産業として引き続き県土の発展に貢献していけるよう、『協会として何ができるか』を常に自問自答しながら、会員各社の知恵や経験を結集し、組織力を発揮することで課題の克服に取り組んでいきます」

  • 【福島県建設業協会】長谷川浩一会長インタビュー

    県土と業界の発展に貢献する はせがわ・こういち 1962年2月生まれ。法政大卒。堀江工業社長。福島県建設業協会副会長を経て、2019年5月から現職。  ――最初に新年の抱負を。 「昨年は、国道118号鳳坂トンネルや国道252号本名バイパスの開通、令和元年東日本台風で被災した河川の改修など、本県の復旧・復興に向けたプロジェクトが大きく前進した年でありました。 一方で、3月の福島県沖地震や8月の豪雨災害、年末の鳥インフルエンザ発生など度重なる災害に見舞われた年でもありました。そうした中でも、会員企業が一致団結し災害対応等に尽力した結果、県民生活の安全安心の確保に努めることができたと考えています。 本年は、昨年末に成立した補正予算により、防災・減災、国土強靭化関連工事が相次いで発注される見込みであることに加え、復興関連の道路整備、令和元年東日本台風関連の河川整備も大詰めを迎えることから、会員企業の総力を挙げて施工体制を強化し、円滑な受注や工事進捗を図ることで県土の発展に貢献していきたいと考えています」 ――コロナ禍、物価高など中小企業を取り巻く環境は厳しいものとなっていますが、県内の建設業界においてはいかがでしょうか。 「長引く新型コロナウイルス感染症の影響に加え、ロシアのウクライナ侵攻以来、原油及び原材料価格が高騰し、世界経済に大きな影響が生じています。 本県建設業界においても、生コンクリートやアスファルト合材及び鋼材など各種建設資材の値上がりに伴うコスト増の影響により、民間建築を中心に工事の中止や先送りが相次ぎ厳しい受注状況が続いています。加えて経費の増大に伴う価格転嫁が困難なことから会員企業の経営環境にも大きな影響を及ぼしています」 ――2023年度の重点事業について。 「2024年4月から、建設業においても時間外労働時間の罰則付上限規制が適用となります。今後は働き方改革への取り組みがより重要になります。当協会としては、発注者の協力を得ながら遠隔臨場などICTを活用した工事管理の効率化を進めるとともに、協会内のワーキンググループにおいて好事例の情報共有を図るなど、各会員企業における働き方改革の取り組みを積極的に支援していきたいと考えています。 建設業は高齢化が進んでおり、担い手の確保が長年の課題となっています。若者に建設業を選んでもらうためには、建設業界全体で週休2日の実現や他業種に見劣りしない収入も必要です。 当協会としては、地域の暮らしを支えるやりがいのある仕事として、一層の労働環境の改善や、ものづくりの楽しさ、『地域の守り手』としての活躍を伝える広報などに取り組んでいきたいと考えています」 福島県建設業協会のホームページ 掲載号:政経東北【2023年2月号】