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町民と共に個性ある地域づくりを進めていく とくさ・まさお 1956年11月生まれ。須賀川高卒。鏡石町総務課長、教育課長兼公民館長、税務町民課長などを歴任。2022年5月の町長選で無投票初当選。 ──町長就任から半年以上経過しました。まずは現在の率直な思いをお聞かせください。 「前町長から引き継いだ事業に無我夢中で取り組み、町民の皆さまの幸せの実現のために奔走した半年間でした。 昨年は本町の町制施行60周年の節目であり、記念式典(10月)をはじめ、全国田んぼアートサミット(7月)、鏡石駅伝・ロードレース大会(11月)、ふくしま駅伝(同)など多くのイベントが開催されました。 9月には就任後初めてとなる定例会の招集があり、主要な議題を無事に議決いただきました。本町出身の方で結成される『東京かがみいし会』の総会も3年ぶりに開催でき、さらに県選出国会議員の皆さまに本町の重点事業に関する要望活動を実施するなど、さまざまな活動に注力できたと考えています。 職員として勤めていた頃との景色の違いを強く感じています。町民の皆さまからの信頼に背くことなく町政に取り組む所存です」 ──物価高や燃料価格の高騰が続いていますが、町民への支援について。 「昨年7月に生活困窮者への支援として国・県の補助金を活用した定額給付を実施したほか、9月には施設園芸農家への燃料費一部助成を行いました。低所得者への影響を考慮して、定額給付金として一律5万円を支給しました。 加えて町内の中小企業・小規模事業者を対象に上限10万円の支援金を給付し、昨年12月には経済活性化策としてプレミアム商品券の第2弾を発行いたしました。プレミアム率は25%で、1万8000セットが完売し、総額9000万円分の経済効果が見込まれています。第1弾で約2億円の効果が得られたこともあり、年末年始に緊急的に実施しました。 新型コロナウイルス感染拡大による輸入飼料の高騰も課題です。畜産農家に対しては家畜一頭当たり2万円の支援金を給付するなど、営農継続のための補助金を給付する支援策を実施してきました」 ──今後の重点事業について。 「まずは昨年4月に策定された第六次総合計画を実現するため、各種事業を進めていくことが重要です。そうすることで、他の自治体と比べ個性ある地域が作られ、町民の皆さまにとって誇りの持てる自慢の町になっていくものと考えています。 今から40年前、鳥見山公園に唱歌『牧場の朝』の歌碑が建立されたのをきっかけに『牧場の朝』のまちづくりが始まりました。40年間のさまざまな事業を振り返りながら、個性ある地域づくりについて町民の皆さまと一緒に考えていきたいと思います」
鏡石町議会昨年12月議会で、議員発議で議会基本条例の一部改正案が提出された。同町の議会基本条例は2018年4月に施行され、その第6条に「会派制を敷く」旨が規定されているが、改正案はその削除を求めるものだった。 提案理由は「(同町議会は)議員定数が12人と比較的少数であり、この中で会派制を設けることは、むしろ議員間の分断をきたし、議会の公正かつ健全な運営に資するものではないと思われる。そのため、会派制を削除・撤廃すべき」というもの。 採決の結果、賛成多数で可決された。これに伴い、「会派制を敷く」旨が規定されている議会基本条例の第6条が削除された。 ある関係者によると、「会派制は、もともとは(2018年の議会基本条例制定時に)遠藤栄作町長を支えるというか、コントロールするために設けられたもの」という。 当時、遠藤町長を支える(この関係者に言わせると、コントロールを目論む)一派は7人おり、それら議員で「鏡政会」という会派を立ち上げた。代表には当時議長だった渡辺定己議員が就いた。同町の議員定数は12だから過半数を占める。 それ以外の5人は「野党」の立場で、それぞれ無会派(1人会派)という状況だった。 つまり、「7対5」(議場では議長は採決に加わらないため「6対5」)の構図の中で、会派制が生まれたというのである。 ただその後、2019年8月の町議選と、昨年5月の町長選・町議補選(同時選挙)を経て、状況が変わった。 まず、町長選では遠藤氏が引退し、代わって元役場総務課長の木賊正男氏が無投票で当選した。それによって、議会は「与党(町長派)」、「野党(反町長派)」といった括りはなくなった。それまで「野党」といった立場だった議員も、ひとまずは木賊町長を支える、あるいは見定めるといった立場に変わったのだ。 一方、議会は本選・補選を経て、鏡政会のメンバーは5人になった。さらに、本誌昨年10月号で伝えた渡辺議員(前出)が込山靖子議員に不適切な言動を取ったとされる問題があり、ともに鏡政会のメンバーだった渡辺議員が辞職、込山議員が離脱したことで、現在は3人になった。残りの7人は無会派(1人会派)で、「会派制の意味を成していない」状況になった。言い換えると、過去の決定を覆せる議会構成になったということでもある。 こうして、議会基本条例の一部改正(会派制の廃止)が行われたわけだが、提案理由にもあったように、そもそも定数12の町(議会)で会派を置くこと自体が稀なケースである。議員は「○○派」、「××派」といった括りなく、町のため、町民のために議会でどういった意思表示をするか、どのような議員活動をすべきか、を考えて行動すればいい。
町民と共に個性ある地域づくりを進めていく とくさ・まさお 1956年11月生まれ。須賀川高卒。鏡石町総務課長、教育課長兼公民館長、税務町民課長などを歴任。2022年5月の町長選で無投票初当選。 ──町長就任から半年以上経過しました。まずは現在の率直な思いをお聞かせください。 「前町長から引き継いだ事業に無我夢中で取り組み、町民の皆さまの幸せの実現のために奔走した半年間でした。 昨年は本町の町制施行60周年の節目であり、記念式典(10月)をはじめ、全国田んぼアートサミット(7月)、鏡石駅伝・ロードレース大会(11月)、ふくしま駅伝(同)など多くのイベントが開催されました。 9月には就任後初めてとなる定例会の招集があり、主要な議題を無事に議決いただきました。本町出身の方で結成される『東京かがみいし会』の総会も3年ぶりに開催でき、さらに県選出国会議員の皆さまに本町の重点事業に関する要望活動を実施するなど、さまざまな活動に注力できたと考えています。 職員として勤めていた頃との景色の違いを強く感じています。町民の皆さまからの信頼に背くことなく町政に取り組む所存です」 ──物価高や燃料価格の高騰が続いていますが、町民への支援について。 「昨年7月に生活困窮者への支援として国・県の補助金を活用した定額給付を実施したほか、9月には施設園芸農家への燃料費一部助成を行いました。低所得者への影響を考慮して、定額給付金として一律5万円を支給しました。 加えて町内の中小企業・小規模事業者を対象に上限10万円の支援金を給付し、昨年12月には経済活性化策としてプレミアム商品券の第2弾を発行いたしました。プレミアム率は25%で、1万8000セットが完売し、総額9000万円分の経済効果が見込まれています。第1弾で約2億円の効果が得られたこともあり、年末年始に緊急的に実施しました。 新型コロナウイルス感染拡大による輸入飼料の高騰も課題です。畜産農家に対しては家畜一頭当たり2万円の支援金を給付するなど、営農継続のための補助金を給付する支援策を実施してきました」 ──今後の重点事業について。 「まずは昨年4月に策定された第六次総合計画を実現するため、各種事業を進めていくことが重要です。そうすることで、他の自治体と比べ個性ある地域が作られ、町民の皆さまにとって誇りの持てる自慢の町になっていくものと考えています。 今から40年前、鳥見山公園に唱歌『牧場の朝』の歌碑が建立されたのをきっかけに『牧場の朝』のまちづくりが始まりました。40年間のさまざまな事業を振り返りながら、個性ある地域づくりについて町民の皆さまと一緒に考えていきたいと思います」
鏡石町議会昨年12月議会で、議員発議で議会基本条例の一部改正案が提出された。同町の議会基本条例は2018年4月に施行され、その第6条に「会派制を敷く」旨が規定されているが、改正案はその削除を求めるものだった。 提案理由は「(同町議会は)議員定数が12人と比較的少数であり、この中で会派制を設けることは、むしろ議員間の分断をきたし、議会の公正かつ健全な運営に資するものではないと思われる。そのため、会派制を削除・撤廃すべき」というもの。 採決の結果、賛成多数で可決された。これに伴い、「会派制を敷く」旨が規定されている議会基本条例の第6条が削除された。 ある関係者によると、「会派制は、もともとは(2018年の議会基本条例制定時に)遠藤栄作町長を支えるというか、コントロールするために設けられたもの」という。 当時、遠藤町長を支える(この関係者に言わせると、コントロールを目論む)一派は7人おり、それら議員で「鏡政会」という会派を立ち上げた。代表には当時議長だった渡辺定己議員が就いた。同町の議員定数は12だから過半数を占める。 それ以外の5人は「野党」の立場で、それぞれ無会派(1人会派)という状況だった。 つまり、「7対5」(議場では議長は採決に加わらないため「6対5」)の構図の中で、会派制が生まれたというのである。 ただその後、2019年8月の町議選と、昨年5月の町長選・町議補選(同時選挙)を経て、状況が変わった。 まず、町長選では遠藤氏が引退し、代わって元役場総務課長の木賊正男氏が無投票で当選した。それによって、議会は「与党(町長派)」、「野党(反町長派)」といった括りはなくなった。それまで「野党」といった立場だった議員も、ひとまずは木賊町長を支える、あるいは見定めるといった立場に変わったのだ。 一方、議会は本選・補選を経て、鏡政会のメンバーは5人になった。さらに、本誌昨年10月号で伝えた渡辺議員(前出)が込山靖子議員に不適切な言動を取ったとされる問題があり、ともに鏡政会のメンバーだった渡辺議員が辞職、込山議員が離脱したことで、現在は3人になった。残りの7人は無会派(1人会派)で、「会派制の意味を成していない」状況になった。言い換えると、過去の決定を覆せる議会構成になったということでもある。 こうして、議会基本条例の一部改正(会派制の廃止)が行われたわけだが、提案理由にもあったように、そもそも定数12の町(議会)で会派を置くこと自体が稀なケースである。議員は「○○派」、「××派」といった括りなく、町のため、町民のために議会でどういった意思表示をするか、どのような議員活動をすべきか、を考えて行動すればいい。