「ふくしま園芸ギガ団地」構想の取り組み【JAグループ福島】

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 JAグループ福島が「ふくしま園芸ギガ団地」構想の取り組みを始めて、まもなく2年を迎える。

 「園芸ギガ団地」構想は令和3(2021)年11月に開催した第41回JA福島大会において、取り組むことが決議されたもの。

 本県は全国でもコメの生産ウエイトが高い県の一つ(令和3年農業産出額1913億円、うちコメ574億円=30%)だが、近年の生産過剰基調によりコメの販売価格は低下・不安定化している。

 そうした中で農業者所得の増大を図るため、国産需要が見込まれる園芸品目へ生産をシフトする取り組みとして、秋田県の取り組みを参考に同構想を進めている。

 県としても、園芸振興の取り組みを後押ししており、園芸産地の生産振興をさらに進めるため、「園芸生産拠点育成支援事業」を創設。手厚い補助(事業費の6割を補助=※1)を行うことで、園芸振興に取り組みやすい環境づくりを進めている。

 また、独自の支援策を打ち出している市町村もあり、JA、行政など関係機関が一体となって園芸振興の取り組みを進めている。

 県内では、現在、全5JA12地区で「ふくしま園芸ギガ団地」構想の取り組みが進められている。品目は、きゅうり、ピーマン、アスパラガス、トマト、宿根かすみそうなどで、各JA管内の主要園芸品目を中心とした生産振興を行っている。

 各JAの今年度の販売高をみると、JAふくしま未来の桃(73億円)、JA福島さくらのピーマン(約7・3億円)、JA会津よつばの南郷トマト(約12・3億円)、昭和かすみ草(約6・4億円)など、過去最高の販売高を計上している。

 また、▽GI(地理的表示=※2)の取得(南郷トマト、阿久津曲がりねぎ、伊達のあんぽ柿、昭和かすみ草など)、▽記念日(ふくしま桃、伊達のあんぽ柿、昭和かすみ草、南郷トマト)の制定など、園芸振興の取り組みが県内各地で加速化している。

 「ふくしま園芸ギガ団地」構想の取り組みが、福島県の園芸振興の起爆剤となり、農業者の所得増大へとつながっていくことに期待したい。

 ※1 事業要件に合致するもの

 ※2 GI:Geographical Indication(地理的表示)。その地域ならではの自然や歴史の中で育まれてきた品質や社会的評価などの特性を有する農林水産物・食品を国が登録し、その名称を知的財産として保護しているもの。令和5(2023)年7月20日現在、全国で132産品が登録されており、福島県では6産品が登録されている。

昭和かすみ草の生産ハウス団地
昭和かすみ草の生産ハウス団地

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