無意味な海外出張を再開した内堀雅雄【福島県知事】

内堀雅雄福島県知事

 内堀雅雄知事は1月16日から21日、米国・ロサンゼルスとワシントンを訪れた。県産米や日本酒の販路開拓を目指し、トップセールスを展開するのが主な目的。知事の海外訪問は約3年3カ月ぶり。

 ロサンゼルスではスーパーマーケットの店頭で県産米「天のつぶ」を販売し、県産日本酒とともに取引拡大を働き掛けた。さらに飲食店経営者や料理人などを招いた試食会、地元県人会との交流会も開いた。

 ワシントンでは国務省や駐米大使などを表敬訪問。両都市で米国政府関係者を招いたレセプションを催し、県産品の魅力を発信した。震災直後、被災地救援活動「トモダチ作戦」に従事した米軍関係者や、2021年の東京五輪で来県し、県産モモを絶賛した前ソフトボール女子米国代表監督のケン・エリクセン氏に謝意を伝える一幕もあった。

 新聞報道によると、トップセールスにはJA福島五連の管野啓二会長、全農県本部の渡部俊男本部長らが加わったほか、福島民報社報道部県政キャップの斎藤直幸記者、福島民友新聞社の渡辺美幸記者らマスコミも同行した。そのためか、期間中は訪米に関する記事が大々的に紹介され、地元紙は一面で取り上げた。

 内堀知事は1月23日に開かれた定例記者会見で、「3年3カ月ぶりの海外渡航となったが、長い戦いとなる原子力災害による風評払拭、新型感染症からの回復に向けて、海外を訪問し本県の現状や魅力を知事として直接お伝えする重要性をあらためて実感した。しっかりと発信しさらなる理解と共感の輪を広げる」と訪米の成果を強調した。

 米国は原発事故の後に続いてきた輸入規制を2021年に撤廃した。だからこそ、トップセールスに向かったのだろうが、果たしてそれで県産米や日本酒の売り上げがどこまで伸びるのか。国内ですら放射能汚染を危惧して県産品を忌避する人が一定数いるのに、遠く離れた海外で理解を得てファンを増やし、販路を拡大するのは限界があろう。

 そもそも県全体の出荷額に対し、輸出額は微々たる金額だ。

 県によると、2021年度の県産米を含む県産農畜産物の輸出額は3億3200万円。県の農業産出額は2086億円(2019年度)。

 県産日本酒の輸出額は分からなかったが、県酒造組合によると、令和3酒造年度(2020年7月~2021年6月)の輸出量は255㌔㍑。同酒造年度の県全体の出荷量は1万1000㌔㍑だ。指標はそれぞれ異なるので分かりにくいが、輸出が全体に占める割合の小ささがイメージできるのではないか。

 過去には農産物の生産者から「輸出は手間がかかるわりに、諸経費などがかさむし、国内需要を凌駕する勢いで売れるわけではないので大した儲けにならない」と冷ややかな声を聞いたこともあった。

 本誌2019年10月号では内堀知事が知事就任後の5年間で、11回にわたり海外出張に出かけ、累計約4000万円の旅費がかかっていたことを紹介した。今回の訪米もそれなりの金額がかかっているだろう。

本誌2019年10月号『【福島】無意味な内堀知事の海外出張』は下記のリンクから読めます!



 輸出を〝伸びしろ〟と捉え、販路拡大に努めること自体は否定しないし、トップセールスの効果もある程度は見込めるかもしれない。だが、費用対効果という点では意味があるとは言えないということだ。

 地元紙はそうした課題にほとんど触れず、海外訪問のメリットを大々的に記事で取り上げるから毎回呆れさせられる。ただ、定例記者会見を見る限り、そんなことはお構いなしで、内堀知事は今後も年2、3回ペースで海外を訪問するのだろう。

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